研究課題/領域番号 |
21K12282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
渥美 太郎 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (40282157)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ステンレス / 酸化被膜 / 六価クロム / ステンレス鋼 / ニクロム合金 / クロム酸化物水酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
ステンレスは我々の生活に欠かすことのできない,主成分の鉄にクロムやニッケルを含有した合金である.クロム含有量が11%以上になると,表面に薄い酸化クロム被膜が生成され,ステンレスの耐食性が飛躍的に向上する.本研究では100~500 ℃における各種ステンレス鋼の高温酸化において,生成する被膜の種類,及び六価クロムを含む揮発物質の確認とその分析を行い,それらとステンレスの組成との関連を調べ,安全に使用することができる耐熱温度を明らかにする.本研究は,環境や健康に配慮したステンレスを使用する製品や生産システム等の設計のために,有害・汚染物質である六価クロムを環境に排出しない使用温度上限を明らかにする.
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研究成果の概要 |
473-773 K におけるSUS304ステンレスの表面酸化被膜を乾燥空気と湿潤空気中で調べた.673 Kと773 KではSUS304中のクロムと鉄が酸化し,FeCr2O4被膜が生成する.湿潤空気中で長時間加熱するとFeCr2O4被膜から6価クロムを含むクロム酸化物水酸化物が揮発する. 673 K,乾燥空気中と湿潤空気中においてSUS304と SUS310Sステンレス表面には鉄とクロムを含む表面酸化物被膜が成長する.湿潤空気中,100時間以降,表面酸化被膜からのクロム酸化物水酸化物が揮発する.SUS316とSUS430表面には鉄酸化物被膜が形成され,クロム酸化物水酸化物の揮発は見られなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ステンレス鋼の使用上限温度は一般的に機械的性質から決定され,酸化被膜からの六価クロムの生成に注意が払われることはない.本研究では,使用上限温度が1000~1200 Kとされるオーステナイトステンレスの代表的鋼種であるSUS304(18Cr-8Ni)を,673 K,低水蒸気圧の空気中で長時間加熱すると,表面酸化物被膜から六価クロムを含む酸化物水酸化物が生成することを見出した.同様に表面酸化被膜にクロムが含まれるステンレス鋼種では,六価クロム酸化物水酸化物の揮発が見られた.これらステンレス鋼を高湿度環境で長時間使用する場合,環境への影響を考え,使用温度上限は573 K程度が望ましいことがわかった.
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