研究課題/領域番号 |
21K12295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
橋本 淳 大分大学, 理工学部, 准教授 (00342551)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | すす / 粒子状物質 / 凝集体 / 予測モデル / 拡散火炎 / 予混合火炎 / 粒径 / 燃焼 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,大気汚染物質として微粒子が注目を集めている.微粒子は気管支,肺と深く到達し,健康へ与える影響が大きい.燃焼機器は安価で大量のエネルギーを生み出せることから,今後もカーボンニュートラルな燃料に適合しつつ,工業分野で活用されるものの,来るゼロエミッション社会に向けて,微粒子予測モデルの構築が早急に求められている.本研究では,学術的な観点から凝集粒子酸化・断片化機構の解明を,実用的な観点からゼロエミッション社会に貢献する微粒子予測モデル,および微粒子抑制手法の提案を行う.
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研究実績の概要 |
数ミクロン以下の微粒子は健康へ与える影響が大きく,来るゼロエミッション社会に向けて,その予測モデルの構築が早急に求められている.微粒子は葡萄の房状の凝集体である.微粒子径の評価モデルを提案するには,この凝集粒子の酸化およびそれに伴う断片化の記述が最も困難な課題である.そこで本研究では,凝集粒子酸化・断片化機構の解明および微粒子予測モデルの構築に取り組む. 本年度はまず,Burner Stabilized Stagnation Flame実験装置の拡張を行いつつ,実用機関で用いられる液体燃料の代表成分について予混合火炎を形成,その微粒子排出特性に対するデータベースを構築した.さらに,1年目に構築した基本モデルを改良するとともに,実験結果に基づいて最適化を行った.具体的には,イソオクタン,トルエン,トリメチルベンゼンの2成分混合条件について,データベース構築とモデル検証が概ね完了している.さらに,イソオクタン・トルエンに対して,バイオ燃料の成分であるエタノールを混合した条件について,データベース構築とモデル検証まで終えた.ただし,本条件ではモデル改良を要する点を新たに示しており,3年目以降に検討・改良に取り組む. なお,以上の条件は,火炎帯近傍におけるすす生成・酸化領域での検証である.火炎後流での酸化・断片化領域を定常的に再現し,モデル構築を行うための装置拡張は,2年目に概ね設計が完了し,製作を進めている.使用する一部の部品(多孔質板)が,当初の手法では内製できず,学外の工作機械を有する企業と相談しながら製作を進めたため,若干進行が遅れている.概ね目処がたったため,3年目に実験・モデル検証を遂行する. 提案モデルは別途実施している自動車会社との共同研究に提供し,実機エンジンでの設計計算用シミュレーションにも適用,検証を行っている. 以上の結果として学会発表3件の報告を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨今の部品不足の状況に伴い,装置の調達が一部遅れている.また,一部の部品加工を,特殊な工作機械を有する県内企業と相談しながら進めたため,やや遅れが生じている.一方で,数値モデルの開発および現有装置で実験可能な実験に対するデータベース構築およびそれに基づいたモデル検証・改良は大きく進んでいる.以上から,総合的には概ね順調であると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
新装置については概ね目処がたったため,予備実験から検証用実験までを遂行する予定である.モデル開発と検証については前倒しで進んでいるものの,2年目に明らかとなった新たな知見も含め,引き続き推進する.
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