研究課題/領域番号 |
21K12297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
武尾 正弘 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (40236443)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ビスフェノールS / 微生物分解 / ハイドロキノンスルホン酸 / ハイドロキノン / フェノールスルホン酸 / 固定化 / ノニルフェノール / bisphenol S / biodegradation / nonylphenol / monooxygenase / endocrine disrupter / hydroquinonesulfonate / phenolsulfonate / hydroquinone / 酸化酵素 / ビスフェノール / 生物分解 / 環境ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、産業上重要な化学物質であり、また環境ホルモン作用により生態系へ悪影響を及ぼし得るビスフェノールS(BPS)について、ノニルフェノール(NP)酸化酵素によるBPS分解の経路を完全に解明することを第一の目的として、まず、大腸菌の遺伝子発現系を用いてNP酸化酵素の生産・精製を実施する。この精製酵素を用いてBPS酸化反応系を樹立し、BPS並びにBPS誘導体の分解を実施し、生じる代謝物を同定する。また、BPSの完全無機化微生物系の構築を第二の目的に、NP酸化酵素をコードするnmoA遺伝子を種々の代謝物の資化菌に導入し、それらの菌株を組み合わせてBPSの分解と無機化を最適化する。
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研究成果の概要 |
本研究では、工業的に重要でありながら、内分泌撹乱作用を有するビスフェノールS(BPS)の迅速な生物分解系を構築するために、BPSを分解できるノニルフェノール酸化酵素の遺伝子(nmoA)を、その分解で生じるハイドロキノンスルホン酸(HQS)やハイドロキノン(HQ)の資化菌であるDelftia lacustris HQS1株やPseudomonas putida TSN1株に導入し、BPSの効率良い分解に成功した。また、もう一つの中間体であるフェノールスルホン酸(PS)の資化菌Cupriavidus basilensis PSY7株を加え、これらの中間体を蓄積しない分解系を樹立することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ビスフェノールS(BPS)は、スーパーエンジニアリングプラスチックの原材料等の用途で年間10万トン以上生産されている重要な化学物質であるが、すでに内分泌撹乱作用が認定されているビスフェノールA(BPA)と同等の内分泌撹乱作用を有することが知られている。また、本物質はビスフェノールの中で最も難分解であること、また、環境を広く汚染していることも知られている。これまでに実質的なBPS資化菌は報告されておらず、BPSの生物分解系も樹立されていないことから、本研究の成果は、学問的のみならずBPS含有工業廃水の処理やBPS汚染環境の浄化法の開発などに適用できる、応用的見地からも意義ある結果と考えられる。
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