研究課題/領域番号 |
21K12313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
馬場 由成 宮崎大学, 工学部, 特任教授 (20039291)
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研究分担者 |
菅本 和寛 宮崎大学, 工学部, 准教授 (10274771)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 新規抽出剤 / 深共晶溶媒 / Sc, Yの分離回収 / Pd, Rh, Ptの分離回収 / 廃電子機器 / 自動車廃触媒 / 資源循環型社会 / 分離・回収プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、資源循環型社会を目指すため、廃電子機器や廃自動車触媒等からの「溶媒抽出法」を利用した希少金属リサイクル技術の研究開発が盛んに行われている。これら廃棄物中には、貴金属などの難分離性金属が多く、また、大量の揮発性有機溶媒を必要とするため環境負荷が大きい等の様々な重要課題を抱えている。これらの課題を解決するため、本研究では、「水素結合ドナー性化合物」と「水素結合アクセプター化合物」を混ぜて容易かつ低コストで調整可能な環境調和型(難燃性・不揮発性・低毒性)の”抽出剤”兼”抽出溶媒”である新たな「深共晶溶媒」を創出し、難分離性金属の抽出分離に関する基礎研究を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究では「水素結合受容体」としてトリオクチルホスフィンオキシドおよびアミン系抽出剤を基体とし、一方「水素結合供与体」として新たに開発したN-ラウロイルサルコシン、イソステアリン酸、イソオクチルグリコレートで創出される「深共晶溶媒(DES)」を調製し、貴金属を含む各金属イオンに対する抽出選択性を評価した。まず既存の工業用抽出剤あるいは新たに合成した抽出剤を用いて「環境調和型であるDESの調製指針」を提示することができた。さらに、貴金属などの希少金属に対して、今回のDESが発揮した「高い抽出選択性を発現する抽出機構」について「協同効果」と「拮抗作用」を組み入れることによって定量的に説明できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は安定確保が困難である希少金属の中の貴金属を産業廃棄物からリサイクルすることで、環境保全および資源有効利用を目指すものである。本研究で開発した「深共晶溶媒」は環境調和型の新規抽出剤で、これらに関する学術研究は緒についたばかりであり、今後の展開が期待される。一方、貴金属は環境・資源の観点から社会的に意義があり、資源循環システムの構築による持続可能な社会づくりへの貢献が期待できる。さらに、回収した貴金属をナノ材料として再資源化することは学術的にも価値も高く、センシング、医療、フォトニクス材料などへの応用が期待される。
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