研究課題/領域番号 |
21K12317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
吉岡 弥生 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主幹研究員 (00359407)
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研究分担者 |
永廣 卓哉 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 研究員 (70806778)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 無機高分子複合微粒子 / コアシェル型 / 界面 / 吸着能 / 高分子無機複合微粒子 / 構造制御 / コアシェル型無機-高分子複合微粒子 / 界面制御 / 吸着担体 / 高選択的吸着能 |
研究開始時の研究の概要 |
使用環境に応答し特定の機能を発揮するインテリジェント微粒子は、吸着担体、徐放担体や医療用検査薬などへの応用が期待できる。その開発においては、最適な材料選定のほか、有機化合物の芳香環や官能基に由来する分子間相互作用も踏まえた材料設計が求められる。そこで、本研究においては、官能基を有する芳香族高分子を無機微粒子に被覆したコアシェル型無機-高分子複合微粒子を作製し、特定物質に高い選択性を示す吸着担体の作製条件を抽出する。また、複合化メカニズムを解明し、異種材料間の界面制御を行うことで多様な複合微粒子を作製する。さらに、色素や金属イオンに対する高選択的吸着能の発現を目指し、吸着メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
使用環境に応答し特定の機能を発揮するインテリジェント微粒子は、吸着担体、徐放担体や医療用検査薬などへの応用が期待できる。これらのなかでも、コアシェル型無機高分子複合微粒子は、材料特性が大きく異なるコア部とシェル層の協同作用による多様な機能発現が可能であることから、新規微粒子の開発において注目されている。 前年度までの研究において、主鎖構造や官能基の導入量が異なる芳香族ポリアミドを多孔質シリカ微粒子に被覆した複数のコアシェル型シリカ-芳香族ポリアミド複合微粒子の作製に成功している。そこで今年度は、これら複合微粒子の複合化メカニズムやシェル層の形成メカニズムを、各種分析手法を用い詳細な検討を行った。その結果、複合化反応で用いた反応溶媒が、得られる生成物の形態やシェル層の厚みに大きな影響を与えることが明らかとなった。また、得られた複合微粒子の無機―高分子材料間の界面についても分子レベルから解析を行った結果、芳香族ポリアミドはシリカ微粒子に物理吸着だけでなく、化学吸着もしていることが明らかとなった。さらに、得られたこれらの知見を活用することで、シリカ-芳香族ポリアミド複合微粒子だけでなく、シリカ-芳香族ポリエステルアミド複合微粒子の作製にも成功した。これら複合微粒子のシェル層には、芳香族ポリアミドではカルボキシル基およびカルボニルクロリド基が導入されているのに対して、芳香族ポリエステルアミドではアミノ基および水酸基を導入することができた。 次に、作製したシリカ-芳香族ポリアミド複合微粒子を用い、水溶液中における各種色素に対する吸着能を評価し、吸着特性を検討した。その結果、色素の化学構造や水溶液のpHによって、吸着挙動が大きく変化することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主鎖構造および導入官能基量が異なる芳香族ポリアミドを多孔質シリカ微粒子に被覆した複数のコアシェル型無機高分子複合微粒子を作製するとともに、これらの複合化メカニズムやシェル層の形成メカニズム、無機微粒子と高分子との界面反応を明らかにした。また、導入官能基が異なる他種高分子をシェル層に有する複合微粒子も新たに作製することができた。一方、作製した複合微粒子における各種色素や金属イオンに対する吸着能についても評価を行った。このような研究実施内容は、当初の研究計画に対しておおむね順調に進展しているが、研究成果の完成度をさらに高めるため、次年度まで研究を延長することにした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では、今年度が本研究の最終年度であったが、研究成果の完成度をさらに高めるため延長申請を行い、承認された。よって、次年度は主に、これまでに得られたデータの整理やまとめを行いながら、学会や論文発表などに順次取り組む。また、追加実験も随時行いながら、発表に必要なデータの収集や本研究内容のバリエーションの拡大に努める。
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