研究課題/領域番号 |
21K12318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
井上 陽太郎 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主幹研究員 (00372136)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 海洋バイオマス / 魚油 / エポキシ化 / 熱硬化性樹脂 / 複合材料 / 鯨油 / 植物油 / バイオベース材料 / 自己修復 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋由来再生可能資源である魚油をベース骨格とした新規なバイオマス熱硬化性樹脂の創製を目的とする。本研究では、まず、温和な条件で、魚油の二重結合へ高選択的にエポキシ基を導入することで、保存安定性を向上させ反応性に優れたエポキシ化魚油を合成する。続いて、バイオベース硬化剤を別途合成し、硬化させることにより、強靭で可撓性に優れた新規な海洋バイオマス熱硬化性樹脂を作製する。また、エポキシ化魚油とキチンやキトサンなどの海洋多糖類と複合化させることにより、すべての構成成分が海洋バイオマスからなる高強度で耐衝撃性に優れた新規なオール海洋バイオマス複合材料を創製する。
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研究成果の概要 |
多価不飽和脂肪酸を有する水産油脂に対し、温和な条件を用い、エポキシ化水産油を合成した。得られたエポキシ化水産油と酸無水物から熱硬化させ新規な海洋バイオマス熱硬化性樹脂を得た。引張試験により機械特性を評価した。酸無水物の添加量と組み合わせにより、機械特性は大きく変化し、特に、バイオベース2官能性エポキシ誘導体を少量添加して熱硬化性樹脂を作製すると、その破断強度は15MPaの値を示した。 さらに、キチン不織布に含浸させて熱硬化させ、新規な海洋バイオマス複合材料を作製した。この複合材料の破断強度は大幅に向上したことから、機械特性の向上にキチン繊維が強化剤として重要な役割を果たすことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規な海洋バイオマス高強度熱硬化性樹脂の創製は、ほとんど利用されてこなかった海洋バイオマスの高度利用につながり、学術的に新規性の高い材料であるため、意義深いものである。また、海洋バイオマスの新しい用途開発による戦略的産業の育成に貢献でき、地方における水産業振興の活性化に結び付けることが可能となるなど、社会的波及効果も極めて大きい。
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