研究課題/領域番号 |
21K12320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
浅利 裕伸 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80761478)
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研究分担者 |
嶌本 樹 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80825620)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 都市緑地 / 病原体 / キタリス / 大腸菌 / 緑地利用者 / ペット |
研究開始時の研究の概要 |
研究1年目~2年目は都市緑地に生息するキタリスの捕獲および病原体のサンプル採取を行なうとともに、自動撮影カメラ等によりキタリスの出現状況および人の活動性を把握する。細菌学的検査は1年目~4年目に実施する。自動撮影カメラ等で得られたキタリスと人の活動性および出現頻度の解析は3年目~4年目に注力する。オンラインも活用した打ち合わせを適宜実施し、2年目以降は可能な限り学会発表を行なう。
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研究実績の概要 |
都市緑地は市民のレクリエーションの場や健康増進の場など生活の質の向上に寄与するほか、防災や温暖化防止などの面からも重要な役割を果たしている。一方、都市緑地は野生動物の生息地としても機能していることから、同じ空間を利用する野生動物と人との直接的・間接的接触が生じる可能性がある。これらの接触により、人獣共通感染症などの感染が懸念されるため、野生動物からの感染を防ぐためには、野生動物との接触を減らす必要がある。しかし、都市緑地における人と野生動物との空間利用や接触に関する実態把握はされていない。 本研究では、北海道帯広市の都市緑地に広く生息するキタリスを中心に、野生動物と人との接触の可能性を明らかにするため、都市緑地でのキタリスと人の活動性の関係を明らかにするとともに、キタリスの保菌実態を明らかにすることとした。 2022年度は、2021年度から継続して帯広市内の大規模都市緑地内に自動撮影カメラを23台設置し、野生動物と緑地利用者を通年撮影した。ほぼすべての地点で何らかの野生動物が出現していることに加え、同地点を人と野生動物が利用していることが明らかになった。 また、帯広市内の緑地において捕獲した個体から細菌をサンプリングし細菌検査を実施してきた。2021年と2022年に検査を行なった21個体について、ほとんどの個体で環境細菌のみが検出されたが、1個体で病原性大腸菌に分類される血清型O25が検出された。今回はO抗原のみの検査であるがO25は比較的病原性が高い可能性がある
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
キタリスと人の活動パターンを把握するため、都市緑地の利用許可を得たうえで、自動撮影カメラを設置し、計画通りに1年目から継続した通年のデータ収集を行なった。また、捕獲許可申請に基づいてキタリスを捕獲し、病原体の検査を予定通り実施した. 森林野生動物研究会大会において,都市緑地でのキタリスと利用者との関係や野生動物の出現状況について報告した.同内容について,森林野生動物研究会誌に投稿し,受理済みである.
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今後の研究の推進方策 |
3年目は自動撮影カメラの調査残期間を消化し,解析に着手する.また,細菌学的検査も継続して実施する. 細菌検査の結果は野生動物医学会での学会発表を予定している.
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