研究課題/領域番号 |
21K12340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
奥村 進 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70204146)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 循環経済 / リユース / リマニュファクチャリング / 循環型製品 |
研究開始時の研究の概要 |
循環経済(サーキュラーエコノミー)の視点で,資源循環と経済成長の両立を目指し,(1)工業製品そのものおよびリユース部品の物理寿命分布と機能寿命分布,(2)使用済み製品の回収率とリユース回数,(3)エンドオブライフオプション(EOLオプション),および(4)メンテナンスの最適化について研究する.この研究によって,リマニュファクチャリングや製品リユースを効果的に行う上で不可欠である,環境配慮型製品の設計や使用済み製品の回収率に関する理論解析に基づいた新規的な指針を得ることができ,環境負荷のさらなる低減と循環経済の実現が期待される.
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研究実績の概要 |
使用済みの工業製品からリユース可能な部品を取り出し,それを新規に製造する工業製品に組み込む生産方式(リマニュファクチャリング,再製造)は,すべての部品を新規に製造して組み込む生産方式よりも環境への負荷が低減でき,資源循環性が向上する.使用済み製品のリユースも同様である.本採択課題では,循環経済(サーキュラーエコノミー)の視点で,資源循環と経済成長の両立を目指し,リマニュファクチャリングや製品リユースを効果的に行う上で不可欠である,環境配慮型製品の設計や使用済み製品の回収率などに関する理論解析に基づいた新規的な指針を得ようとするものである.本年度では次の研究成果を得た. (1)使用済み製品がリユース工場に回収され,リユース・リサイクル・廃棄という何れかの選択がなされることを想定し,使用済み製品のリユース可能性を定量的に評価するためのリユース効率モデルを構築した.循環型製品の「相対劣化」と「絶対劣化」に至る時間が独立な確率分布に従っていることを仮定し,3種類のリユース効率因子の調和平均としてリユース効率を導いた.確率分布としてガンマ分布・指数分布に加えて,デルタ関数とワイブル分布を設定し,分布の違いによるリユース効率への影響を調べた. (2)循環型製品の耐久性と使用済み製品の回収に要するコストを考慮した,単位コスト当たりのリユース効率最大化問題を定式化し,循環型製品の最適な耐久性,使用済み製品の最適な回収率,最適な最大再利用回数を求めた. (3)再製造システムにおいて,使用済み製品の回収時刻や回収率のような不確定要素はシステムの運用コストやリユース効率など,システム特性に大きな影響を及ぼす.そこで,リユース効率・製品1ライフ当たりの運用コスト・システム特性のばらつきを評価関数として設定したもとで,Best-Worst Methodを用いて循環型製品の回収率と寿命係数の最適化を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに進めた研究を基礎にして今年度の研究を進めたこともあり,概ね順調に進んでいると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果を踏まえて次の研究を行う. (1)循環型製品の使用性を高めるとともに,循環型製品の使用段階で発生する環境負荷を低減するべく,循環型製品に内在する設計パラメータを合理的に決めるための手法を開発する. (2)循環型製品の絶対劣化・相対劣化パラメータ,循環型製品の耐久性,および使用済み製品の回収率が循環型製品の需要によってどのように変化するかをライフサイクルシミュレーションによって調べる.
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