研究課題/領域番号 |
21K12344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
渡 卓磨 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 研究員 (10845811)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 物質フロー / 脱炭素 / 科学的目標 / 気候変動 / 資源生産性 |
研究開始時の研究の概要 |
地球の環境容量を超過することなく増加し続ける世界人口の基本的欲求を充足する資源生産・消費システムの構築は人類が直面している最重要課題である。しかし環境容量下において、”いかなる資源を、いかなる国が、どの程度利用可能か”は科学的に解明されておらず、国際調和のとれた取り組みに不可欠な数値目標が確立されていない。本研究は、環境制約下における資源循環構造を精緻に表現する新規の数理モデルを開発し、地球の環境容量と厳密に整合する資源フロー・ストック・生産性目標の構築を目的とする。研究成果は資源利用に関する国際的目標設定の議論を支援すると共に、日本の次期循環基本計画における数値目標の科学基盤強化に貢献する。
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研究実績の概要 |
地球の環境容量と整合的な資源フロー・ストック・生産性目標の開発に向けて、本年度は6種の主要金属(鉄鋼・アルミニウム・亜鉛・鉛・ニッケル)を対象とした世界規模でのシミュレーションモデルを開発した。 開発したモデルを用いて、世界各国・地域における過去110年間(1900~2010年)の金属利用の実態を解析し、日本を含む高所得国の経済活動は、現在、一人当たり約12トンの金属ストックに支えられている一方、世界平均は約4トン、低所得国は1トンにも満たないことを明らかにした。これは、金属利用における国際的不均衡性を意味し、本研究によってその具体的レベルが定量化された。 加えて、脱炭素社会への移行に伴うGHG排出制約と整合的な素材生産・利用量の同定を試みた。これにより、生産側技術の開発と並行して、現在よりも少ない素材生産・利用量で、住居や移動、通信といった基本的ニーズを充足するための脱物質化の必要性を確認すると共に、その具体的なレベルとタイミングを明らかにした。本年度に確立した手法は、今後複数の環境容量・素材を加味したモデル構築の基礎となるものである。 研究成果は、学術論文としての発表に加えて、一般向けの動画としても発表することで、研究成果の新たな発信・社会対話方法を模索した。また、複数の企業・団体との議論を通して、研究成果の直接的な発信と活用の基礎を構築することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル開発・解析・論文発表の全てにおいて概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は水や土地、大気汚染等の複数の環境容量を加味したモデルへの拡張を実施すると共に、コンクリートや木材、プラスチックといった複数素材への適用を行う予定である。
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