研究課題/領域番号 |
21K12348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 追手門学院大学 (2022-2023) 金沢大学 (2021) |
研究代表者 |
北村 健二 追手門学院大学, 国際学部, 准教授 (10733959)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 実践共同体 / 里山里海 / SDGs / 自然保護区 / 利害関係 / 参加型評価 |
研究開始時の研究の概要 |
自然保護区は多様な目的や価値観を反映するものであり、幅広い主体の協働により運営されるのが理想である。しかし、現実にはこれは容易でなく、特に、自然保護区の利用・管理方針の影響を最も直接的に受ける地域住民が方針決定の過程に十分に参加できていない。そこで、本研究では、土地・資源の所有・利用・管理における利害関係を可視化し共有することにより、自然保護区における協働を促進するための方法論を探究する。具体的には、コモンズ論における「権利の束」の概念を発展させた利害関係構造の可視化に参加型評価を組み合わせた方法を用いる。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究実績として次の3点を挙げる。第1は能登における実践研究である。国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産に認定されている「能登の里山里海」や、持続可能な開発目標(SDGs)との関連により地域づくりが進められている石川県能登半島地域に関して、これまで研究協力者らとの議論を重ねつつ実施してきた研究の成果をまとめ、国際学術雑誌に論文を発表することができた。この論文においては、里山里海という魅力的なフィールドをもつ能登地域に多くの大学の研究者や学生がフィールドワークに集まることに着目し、このような外部からの訪問型フィールド研究によって生み出される知見を、地域コミュニティが主導する形で収集し、必要に応じて随時検索・参照が容易にできるような双方向型のデータベースを構築することが有効であることを示した。このようなデータベースを活用した知識共創は、地域に欠けていること(課題)だけを見るのでなく、むしろ地域が既に有している強み(資産)に着目する点で、資産にもとづくコミュニティ発展(Asset-Based Community Development;ABCD)の理論とも親和性があり、それが地域において進展する過程で社会協働型の実践共同体(Transdisciplinary Community of Practice)の形成と発展も期待できることを論じた。
第2は、中米コスタリカでの事例調査である。民有地における森林保全を可能にする制度や仕組みについて調査を続けており、2023年度に現地訪問をすることができため、利害関係者の詳細分析のための基礎的なデータ収集を図った。
第3は、地域づくりにおける側面支援の役割に関する実践研究である。長崎県対馬市を事例対象の一環として調査しており、2023年度においてはその中間成果を発表するとともに、新たな事例の調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症のまん延で遅れていたい海外現地調査のうち、コスタリカでの調査を実施することができたことで大きな前進があったが、全体として研究期間初期の遅れを完全に取り戻すには至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
国内・海外の事例調査の結果をまとめ、成果の発信を図るとともに、本研究の成果を活用しつつ今後取り組むべき新たな研究の構想を整理する。
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