研究課題/領域番号 |
21K12354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
松浦 正浩 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (70456101)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | トランジション / サステナビリティ / 地方創生 / 南相馬市 / 上勝町 / 浦和美園 / トランジション・マネジメント / サステイナビリティ / 合意形成 / フロントランナー |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動など大規模かつ超長期の課題に対応するため、持続可能な社会経済システムへの抜本的なトランジションの必要性を指摘する昨今の研究成果を踏まえ、本研究は、トランジションを加速する実践的方法論であるトランジション・マネジメントに着目し、そのなかでも特にフロントランナーと呼ばれる先駆者が実践を通じて地域の人々に影響を与えることで、社会経済システムの変容を促進するメカニズムを明らかにすることを目的とする。具体的には、最新の研究論文等を再整理するとともに、福島県南相馬市や徳島県上勝町のトランジションの事例研究に加え、さいたま市美園地区での試行を通じて効果を実証的に観察・評価・分析する。
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研究実績の概要 |
2021年度は、(1)トランジションに関する既往研究等調査、(2)国内3地域におけるトランジション事例の分析、(3)TMの参与観察を実施した。(1)既往研究調査としては、オランダのトランジション研究所(Dutch Institute for Transition)が主催する「デザインとトランジション(Design and Transition)」研究会(2021年11月5日、12月2日、2022年1月12日)にオンラインで出席し、最新の情報を取得した。(2)の事例研究としては、南相馬市を2度訪問し、現地の諸施設等を視察したほか、関係者(計12名)に対面およびオンラインで聞き取り調査を実施し、書き起こしを作成、市全域の震災復興の取り組みと小高地区における移住者の取り組みを分析した。上勝町では、文献による情報収集のほか、関係者への対面およびオンラインでの聞き取り調査を実施し、1990年代以降のトランジションの経緯を整理した。また五島市の浮体式洋上風力発電を視察し、同事業の責任者から、最近の動向を含め、詳しく聞き取りを行った。また、(3)参与観察については浦和美園駅周辺地区の全世帯にチラシを配布し、属性を考慮した120名のモニターを構築し、1回目のアンケートを実施した(回答116件:回収率97%)。また、2022年2月5日に持続可能な未来を検討するワークショップを1回実施した。(2)の事例研究についてはその成果を、和文書籍および英文論文として発表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事例研究については、2021年度中に書籍や英文論文としてその成果を公表することができており、当初の計画以上に進展したといえる。ただし、事例研究については完全に終了したわけではなく、2022年度以降も調査は継続し、さらなる研究成果の創出につとめる予定である。しかし、TMの参与観察については、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、対面でのワークショップや、地区内でのトランジションを誘発する行事の開催が困難であったため、やや遅れている。2022年度には対面による活動の再開が見込めることから、2022年度中にキャッチアップできると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
事例研究については、3事例に関する情報収集を継続するとともに、焦点をより絞った研究調査を検討している。具体的には、南相馬市の事例については、小高地区の移住者の動向について、フロントランナーからフォロワーへと波及する過程の詳細についてフィールド調査を予定している。TMの参与観察については、2022年度の早い時期に、サステナビリティの論点ごとに小規模なワークショップ会合を複数開催し、地域住民の行動変容につながる可能性がある行事(展示会、セミナー等)を2022年度中に実施する予定である。
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