研究課題/領域番号 |
21K12367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
山本 芳弘 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (20419435)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 再生可能エネルギー / エネルギー・コミュニティ / ネットワーク / 経済制度 / エネルギー需給システム |
研究開始時の研究の概要 |
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、普及を目的とした経済制度に替わって効率的に利用するための制度が必要になる。小規模分散型という再生可能エネルギーの特性を生かした制度にするためローカルな中規模のエネルギー需給主体を仮想的に形成することを、先行研究で提案した。本研究では、このローカルな中規模エネルギー需給主体を仮想的に形成するための合理的なルールを理論的に開発する。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、再生可能エネルギーから発電された電気を社会で効率的に利用するための経済制度を提案することである。前年度までに、家庭のような電気の小規模な生産者と消費者で構成される集団に対して、それらを2つのグループに分けて売買価格を設定する理論とアルゴリズムの考案、およびシミュレーションのためのコード作成を行っていた。今年度は、理論とアルゴリズムの詳細検討、シミュレーション用コードの改良、ならびに新たな理論分析の3点を実施した。 第1に、アルゴリズムについて細部の検討を行った。特に理論の整合性と論理展開を詳細に再検討した。その結果を国際会議で発表した(40th USAEE/IAEE North American Conference, Chicago, USA)。 第2に、前年度に作成したシミュレーションのためのコードを、種々の結果を分析できるように大幅に改良した。模擬データによる検証を重ねて修正し、実用性を高めた。購入するデータの選定についても検討した。 第3に、価格設定に関する理論を再検討した。前年度までは、コア(Core)を応用して、生産量と消費量を比較して少ない方を有利に扱う方法を考えていた。今年度、新たにシャプレイ(Shapley)値を応用することで、生産量と消費量のバランスをより反映できる方法を考案した。この方法により、2つのグループのどちらにも統一のルールで価格設定ができるようになった。シミュレーションのためのコードも修正した。 以上の研究活動を通じて、理論とアルゴリズムの構築とシミュレーション用コードの作成を完了した。次年度は、データを購入してシミュレーションを実施する。その結果をまとめて、本研究課題の最終的な研究成果とする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
再生可能エネルギーで発電された電気の効率的利用を促進する価格設定を提案するという目的に対して、理論とアルゴリズムの構築、ならびにシミュレーションのためのコードの作成を完了した。次年度にシミュレーションを実施できる状況にある。シミュレーションの結果次第では、アルゴリズムに改良を加えて対処する予定である。 前年度に提起した動学的なシミュレーションは、本研究課題では実施しないことにした。理論モデルを改良した結果、必要ではなくなったことと、それ自体が本研究課題の範囲を超えるもので新たな研究課題として取り組むべきであると判断したからである。
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今後の研究の推進方策 |
まずはシミュレーションに用いるデータを購入する。どのようなデータかをチェックして、作成したコードに適用できるように整える。 次に、シミュレーションを実施する。結果次第で、別の視点からのシミュレーションをしたり、アルゴリズムを改良したりする。 得られた結果を考察する。シミュレーション結果を含め、研究の全体をまとめて公表する。
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