研究課題/領域番号 |
21K12387
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
小林 知子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10325433)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 朝鮮人遺骨問題 / 国際交流 / 地域交流 / 歴史和解 / 壱岐・対馬 / 東アジア冷戦 / 戦時強制動員 / 浮島丸事件 / 地域における国際交流 / 宗教者の人権平和運動 / 信頼醸成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「朝鮮人遺骨問題」(旧軍人・軍属や民間徴用者等の朝鮮人遺骨をめぐる問題)に関し、地域における国際交流に着目し、その過程と意義を検証するものである。従来、二国間の戦後補償問題の枠組みで論じられがちな本問題を、本研究は東アジア冷戦の実相を問いながら、地域における国際交流という視座から捉えなおす。 具体的には、①長崎県壱岐における本問題について、地元住民の対応、国際交流の足跡をたどりながら研究する。②本問題の壱岐以外の地域事例の調査に着手するとともに、東アジア冷戦、「遺骨問題」全般に関わる基礎研究を行う。そして、②から得た知見を含めつつ、①の研究成果を中心にまとめた最終報告書を完成させる。
|
研究成果の概要 |
本研究は「朝鮮人遺骨問題」に関し、地域における国際交流に着目し、その過程をたどりながら、日本-朝鮮ひいては東アジアレベルにおける歴史和解への展望を問う地域研究である。 本期間はコロナ禍で現地調査が困難であったため、まずは遺骨問題に関する外交文書等の収集・分析を進めた。壱岐の事例については、韓国慶州との長年の地域交流にも拘わらず、遺骨返還は実現していない。こうした近況を、遺骨問題の戦後の展開のなかに位置づけた研究を発表するとともに、再開された日韓合同慰霊祭など、現地調査を続けている。また本研究では、浮島丸事件をはじめ他の地域事例の基礎調査にも尽力し、こうした研究成果は韓国でも発表してきている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「朝鮮人遺骨問題」は、2004年の日韓首脳会談以後、政府レベルで取り組まれながらも、その後、調査や遺骨返還交渉が中断し、浮島丸事件関係者の一部と北朝鮮に戸籍があった軍人・軍属、そして民間徴用者の遺骨は、政府間では未だに返還がなされていない。戦後80年を間近に控えた今日、戦後処理・歴史和解、そして人道的な意味でも社会的責務がある重要な課題であるが、現在進行中の問題である。 本研究は、従来、二国間の戦後補償問題の枠組みで論じられがちな本問題を、東アジア冷戦の実相を問いながら、地域における国際交流という視座から捉えなおす学術的試みであり、国際関係を宗教という視角から検証する意義をも帯びたものである。
|