• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

被災地における水産業の復興と生産主体の課題―国際比較を通した岩手モデルの可能性

研究課題

研究課題/領域番号 21K12388
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関立命館大学 (2022-2023)
岩手県立大学 (2021)

研究代表者

桑田 但馬  立命館大学, 経済学部, 教授 (40405931)

研究分担者 鈴木 正貴  岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (90616062)
生島 和樹  岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (60772415)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード鮭 / 漁業協同組合 / 定置網 / ふ化放流 / 岩手 / 宮城 / 内水面漁業 / 漁業 / カナダ・ブリティッシュコロンビア州 / 鮭(salmon)の孵化・放流 / SEP(鮭増殖計画)
研究開始時の研究の概要

東日本大震災後も、岩手沿岸の漁業の復興主体は漁業協同組合を中核とする。しかし、従来通りでよいのか。本研究では生産主体のあり方を、カナダのBC州のケースとの国際比較を通して検討する。本研究は岩手の基幹魚種で、漁協が取り扱うサケを主な分析対象にし、ふ化・放流で多様な主体を重視するBC州のSalmon Enhancement Programとの比較を通して、漁協ではなくコミュニティが担う岩手モデルの可能性を探る。

研究実績の概要

本研究の目的は、東日本大震災復興の途上にある、岩手漁業とくにサケのふ化放流事業における生産主体のあり方を、カナダのブリティッシュ・コロンビア州(BC州)のケースとの国際比較を通して検討することである。今年度、何とかBC州のサケふ化場等での現地調査を実施でき、日本、岩手とは異なる連邦型とボランティア型の事業の組織や財務などの構造を詳細に把握した。とはいえ、先方の諸事情により追加調査は実施できなかった。研究の取りまとめとしては、結果的に、岩手、宮城の両県における事業に関する分析結果が中心となった。
今年度の主な実績としては、①東日本大震災の被災地である岩手県の漁業協同組合を対象にして、再建過程を整理しながら、経営や財務の実態を明らかにし、それらの課題に対する示唆を得た。
5つの漁協をケーススタディの対象としたが、大震災以降の経営・財務は総じて良好である。この主な理由としては、利益獲得能力がある事業を分散させて保有していることがあげられる。この内容は多様である。これに対して、見劣りするようなケースがあるが、そこでは定置自営事業、サケのふ化放流事業に支えられている構造のネガティブな側面がみられる。サケの不漁が続くなか、両事業の抜本的な見直しは避けられないであろう。
②東日本大震災からの漁業再建の検証にあたって、岩手県の漁協を主な対象にして、サケ中心の定置網事業やサケのふ化放流事業に焦点を当てて経営・財務の状況を分析し、それらの特徴を明らかにした。
既述の5つの漁協を対象としたが、個別漁協の業務報告書にもとづく詳細な分析により、岩手県や県さけ・ます増殖協会が関わる生産の広域的な計画やルールあるいは資金循環システムの下で、無理が生じる構造あるいは経営・財務の多様な側面が明らかになった。このことは個別漁協の業務報告書を入手し、インタビュー調査等とあわせて丁寧に分析してこそたどり着いた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

カナダBC州での現地調査が十分でないことによる。この理由としては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響があげられる。追加調査の実施直前に、先方の担当者から諸事情(新型コロナ感染と思われる)により、未実施に終わったこともあった。現地の状況をオンラインで映していただき、インタビュー調査等を実施することも提案したが、担当者から対応しかねるとの連絡を受けたこともあった。この点は、次年度の課題である。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策として、次の2点があげられる。
①カナダBC州におけるサケのふ化場等の調査は一定の蓄積があるものの、可能であれば、追加調査により、過去に訪問したことがないふ化場を対象とするか、既に訪問したことがあるふ化場での組織・財務等の追加情報を収集する。仮に実現しなければ、限定的となるものの、既存のデータ等を用いて、論文の公表を実現させる。そして、岩手におけるサケのふ化放流事業の見直しに対する適用可能性を探っていく。
②岩手等における研究・調査結果を踏まえて論文として公表する。まず、岩手県と宮城県のさけ・ます増殖協会の経営・財務等の比較分析を行い、結果のとりまとめを行う。この前提として、岩手におけるサケふ化放流事業の小史を整理する。次に、岩手における内水面の漁協(サケふ化放流)の調査結果を蓄積してきたので、漁協間の比較分析を行い、結果の取りまとめを行う。また、必要に応じて、調査の蓄積がある沿岸の漁協との比較も行う。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 東日本大震災被災地における漁業協同組合の再建過程と経営課題2023

    • 著者名/発表者名
      桒田但馬・生島和樹・鈴木正貴
    • 雑誌名

      立命館経済学

      巻: 72(2) ページ: 39-66

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 三陸における東日本大震災以降の漁協経営と鮭の定置網・ふ化放流事業2023

    • 著者名/発表者名
      桒田但馬・生島和樹・鈴木正貴
    • 雑誌名

      総合政策

      巻: 25 ページ: 33-59

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 被災地における鮭ふ化放流の復興・防災と事業主体の課題―カナダBC州のSalmon Enhancement Program との比較研究の可能性2023

    • 著者名/発表者名
      桒田但馬
    • 雑誌名

      復興

      巻: 29 ページ: 39-44

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 被災地における漁業協同組合の再建過程と経営課題―『協』『公』関係を踏まえて―2023

    • 著者名/発表者名
      桒田但馬・生島和樹・鈴木正貴
    • 学会等名
      日本財政学会第80回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 三陸における東日本大震災以降の漁協経営と鮭の定置網・ふ化放流事業2023

    • 著者名/発表者名
      桒田但馬・生島和樹・鈴木正貴
    • 学会等名
      日本地域経済学会第35回全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 被災地における鮭ふ化放流の復興・防災と事業主体の課題―研究方法としての国際比較の可能性―2022

    • 著者名/発表者名
      桒田但馬
    • 学会等名
      日本地域経済学会第34回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi