研究課題/領域番号 |
21K12391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 温子 青山学院大学, 法学部, 准教授 (20748264)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 放射性廃棄物 / ドイツ / フィンランド / 原発 |
研究開始時の研究の概要 |
原発稼働の際に生じる高レベル放射性廃棄物を長期間完全に隔離することを目指す「最終処分場」の立地をめぐり、世界各国で長年対立が引き起こされてきた。その中で、フィンランド国会は、世界で初めて国内における最終処分場の建設計画を承認した。一方で、ドイツはニーダーザクセン州ゴアレーベンが立地として指名されて以来、反対運動の核であり続けてきた。本研究は、関係地域における社会受容のあり方を比較分析し、放射性廃棄物との共生のあり方を探る。
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研究実績の概要 |
今年度も新型コロナウイルス感染症のため海外渡航が容易ではなかったが、2023年3月にようやく海外調査を行うことができた。今年度の実績としては、主に次の三点が挙げられる。 第一に、2022年7月に大阪大学全学教育推進機構において、依頼されて「エネルギーとリスク」というテーマで授業を行った。その際には、ロシアによるウクライナ侵攻の際の原発攻撃等をふまえて、原子力の平和利用と、原発稼働の際に発生する高レベル放射性廃棄物の問題にも言及した。 第二に、フィンランドの放射性廃棄物研究の第一人者である研究者らにより2022年末に発表された論文を、著者らに許可を得て日本語に翻訳した。同論文では、フィンランドで原子力を推進する正当性を保つための、高レベル放射性廃棄物を自国に最終処分するという国家責任の約束(promise)について吟味している。同論文中には、同約束がどのように変遷してきたかが叙述され、フィンランドが外国から放射性廃棄物を輸入し自国に最終処分する可能性や、小型モジュール炉から発生する放射性廃棄物の処分問題についても言及されており、日本も含めて処分場立地が未定の国々に新たな視座を提供しうる。 第三に、主にフィンランドのロヴィーサ(Loviisa)において、最終処分場の反対運動を率いた人物のもとを訪問し、情報収集およびインタビューを行った。この調査により有益な情報が得られたため、今後まとめて発表する予定である。なお、今回の調査の際に、現地の新聞社に取材され、記事として紙面に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症問題のため、本研究にとり重要な海外調査を容易に行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
さしあたり2023年3月の調査内容を形にまとめて発表する。 感染症問題の経過を見ながら、現地調査を続け、研究を進めていきたい。
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