| 研究課題/領域番号 |
21K12399
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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| 研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
佐藤 千鶴子 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターアフリカ研究グループ, 研究グループ長 (40425012)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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| キーワード | マラウイ / 南アフリカ / ジンバブウェ / 移民労働 / 鉱山労働者 / 移民産業 / 独立移民 / トランスポーター / 元鉱山労働者 / マラウィ / 国際移動 / 南部アフリカ / トランスナショナリズム / 社会的紐帯 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、南部アフリカの国際移動を1世紀以上にわたり継続させてきた社会的制度について考察する。とりわけ注目するのは、移民と出身世帯の間のトランスナショナルな紐帯や家族形成のあり方、そして数世代にわたり移民を送り出してきた世帯及び送出し社会の中で培われてきた国際移動をめぐる規範のような非公式の制度である。具体的に取り上げる事例は、マラウィ北部から南アフリカ、ジンバブウェ南部から南アフリカという歴史的に文脈の異なる2つの国際移動である。出身国と移住先国双方における重層的な聞き取り調査を通じて、南部アフリカにおける国際移動の歴史性と現代性の総合的な理解の深化に貢献する。
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| 研究実績の概要 |
本研究は、マラウイ北部から南アフリカ、ジンバブウェ南部から南アフリカという歴史的に文脈の異なる2つの国際移動を取り上げ、南部アフリカの国際移動を1世紀以上にわたり継続させてきた社会的制度の内容を明らかにすることを目的としている。2024年度には、これまでに実施した文献調査と聞き取り調査をもとに執筆したマラウイに関する研究成果の公開、そしてジンバブウェ南部に関する文献調査と聞き取り調査を行った。 ジンバブウェでの聞き取り調査は、南部に位置する第2の都市ブラワヨとマタベレランドノース州のチョロチョ県で実施した。2009年に多通貨制度が導入されて以来、ジンバブウェの基軸通貨は米ドルであるが、チョロチョ県では米ドルよりも南アフリカ通貨ランドが多く使用されていた。さらに、チョロチョ県内の未舗装路では、南アフリカからの生活物資を定期的に運んでくる同国ハウテン州ナンバーの小型トラックが多数、見られた。カネ、ヒト、モノの移動を通じて、同県と南アフリカ経済との間に強い結びつきがあることが観察された。聞き取りに応じてくれた元移民の多くは、20代~30代の比較的若い層であったが、親が南アフリカで就労している(た)ケースも多く、少なくとも2世代にわたり、南アフリカへの移民労働が継続していることが分かった。また、ジンバブウェでもマライチャと呼ばれる密航支援業者の存在感の大きさが確認されたが、都市と農村ではその役割に違いがあることも明らかになった。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度にマラウイから南アフリカへの国際移動に関する研究成果の一部を発表したこと、また、ジンバブウェ南部での聞き取り調査に着手できたことから、おおむね順調に進展していると判断した。ただし、当初の研究計画では、ジンバブウェ南部から南アフリカへの国際移動の契機として、1980年代初頭にジンバブウェ政府が行使した野党支持者弾圧を目的とする政治暴力の影響を想定していたのに対し、聞き取り調査ではこの点についてほとんど情報を得ることができなかった。調査地は当時の政治暴力で大きな被害を受けた地域の一つであり、現在も政治的には野党に対する支持が大きいところである。だが、当時の政治暴力の問題はいまだセンシティブであるため、聞き取りを行うのはきわめて難しいだろうとの印象を持った。 他方で、今日の国際移動のもうひとつの直接的な契機として1990年代前半に実施された経済構造調整政策による雇用条件と生活条件の著しい悪化があることや、1990年代後半に南アフリカに移民した世代と2000年代後半以降に南アフリカに移民した人びとの間での移民経験には大きな違いがあることが観察されたため、この点を掘り下げる必要があることが分かった。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度は、ジンバブウェ南部において2回目の現地調査を実施すること、その際には、1990年代後半に南アフリカに移民した世代と2000年代後半以降に南アフリカに移民した人びとの両方にアプローチし、移民労働の経験に関する違いをより明確に把握することを念頭におき、研究を進める。また、研究の最終年度に当たるため、ジンバブウェ南部から南アフリカへの国際移動に関する研究成果を取りまとめること、およびマラウイ北部から南アフリカ、そしてジンバブウェ南部から南アフリカという2つの国際移動の経験の共通点と相違点を意識して研究成果を取りまとめることにも取り組んでいく。 ただし、ジンバブウェの政治情勢には不安定要素がある。万が一、現地情勢の悪化により2025年度にジンバブウェで現地調査を実施することが不可能となった場合には、ジンバブウェ移民の移動先である南アフリカで調査を行って、南アフリカにいるジンバブウェ移民から移動の時期による移民経験の違いを把握するための聞き取り調査を行うことにする。
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