研究課題/領域番号 |
21K12405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岩佐 光広 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (20549670)
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研究分担者 |
赤池 慎吾 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (50570199)
柏尾 珠紀 滋賀大学, 研究推進機構, 研究員 (70414034)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 国有林森林鉄道 / 住民利用 / インフラ / 景観 / 温泉 / 森林鉄道 / 高知 / 青森 / インフォーマルな実践 / ライフヒストリー / 日本遺産 / 民衆史 / 山村 / 高知・青森・秋田 |
研究開始時の研究の概要 |
明治から昭和にかけて、木材輸送を目的とする官設・官営の森林鉄道が日本全国の国有林地に導入されたが、地域住民は次第にそれをインフォーマルな形で生活利用するようになった。本研究は、インフォーマルなものも含む森林鉄道の生活利用の実践内容とその変化を記録に残し、それをもとに、森林鉄道を活用しながら自分たちの暮らしを再編していった地域住民の主体的な民衆史を明らかにする。そのために、高知・青森・秋田の3県を調査地として、森林鉄道が稼働していた時代(昭和期)を知る地域住民、特に高齢女性にライフストーリー・インタビューを実施し、それぞれの調査地で得た実践内容とその変化について地域間比較を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は大きく2つの活動を行った。 1つは、青森県・下北半島での現地調査の実施である。青森県での現地調査では、青森市およびむつ市における文献調査とともに、むつ市の旧川内町エリアにおいて、川内森林鉄道が稼働していた時代を知る地域住民にインタビュー調査を行った。そこから下北半島では、高知県・中芸地域の魚梁瀬森林鉄道にはみられなかった利用形態があることがわかってきた。たとえば、下北半島の森林鉄道が敷設された地域の山間部には湯野川温泉(川内)や薬研温泉(大畑)といった温泉地があり、森林鉄道はそこに赴く湯治客に利用されていた。また、山菜採りに向かう近郷近在の住民にも利用された。下北半島の森林鉄道は、高知県の魚梁瀬森林鉄道と同様、地域住民の生活インフラとして利用されと同時に、地域内外の人々の「余暇的な活動」においても利用されてきたという特徴が明らかになってきた。 もう1つは、一定のデータを得ることができている高知県・中芸地域の魚梁瀬森林鉄道に関する研究成果の公開である。中芸地域での現地調査を継続しつつ、これまでの研究蓄積をもとに、魚梁瀬森林鉄道の建設・稼働に伴う山地景観の変容過程、および魚梁瀬森林鉄道の住民利用の歴史とそれに伴う地域社会の再編のプロセスについて、書籍、学術論文、学会発表等で研究成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査研究が進んでいる高知県に関しては、その研究成果を書籍や学術論文、学会発表などの複数の媒体を通じて発表することができた。また、青森県で現地調査を実施するとともに、その成果の一部を学術論文としてまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
青森県・下北半島での調査を進めるとともに、本プロジェクトの最終年度として、成果公開に向けての準備を進める。
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