研究課題/領域番号 |
21K12415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
河音 琢郎 立命館大学, 経済学部, 教授 (90273870)
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研究分担者 |
篠田 剛 立命館大学, 経済学部, 准教授 (50717866)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 税制改革 / 産業再編 / サプライサイド経済学 / 無形資産 / グローバル化 / アメリカ / 国際課税 / 2017年減税雇用法 / デジタル課税 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では3点の課題を中心に位置づける。第1の課題は、レーガン税制改革法の特徴をなす課税ベースの抜本的拡大が経済の無形資産化にどのように寄与したのかの解明である。また第2の課題は、1980年代以降の米国産業再編を、知識集約型産業化に伴うモビリティの高い無形資産への投資、収益源泉のシフトとして捉え、経済の無形資産化が租税政策にどのような課題を要請したのかということである。さらに第3の課題は、トランプ税制改革の国際課税改革がこれらの経済的現実にどのように対応しようとしたのかということである。これらの研究課題に答えることにより、税制改革と経済構造の変化との動態的な連関を把握することが可能となる。
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研究成果の概要 |
本研究は以下2つの目的を企図した。第1に米国1986年税制改革法の意義を今日の米国経済の知識経済化、グローバル化の見地から再評価することである。第2に今日の米国税制改革と新国際課税改革との関係で1986年税制改革法の意義を再評価することである。 第1の目的においては86年税制改革法の雛形となった84年財務省報告がレベル・プレイング・フィールドを意識的に追求し、それが米国産業再編に寄与したことを確認できたが、明白な実証までには至らなかった。第2の目的については86年税制改革が、2017年TCJAによるサプライサイド的対応とバイデン政権による増税志向との対立に結実している現実を示すことが出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、米国の1986年税制改革法が、個別の産業的利害を超えて課税ベースを拡大し、レベル・プレイング・フィールドの設定に成功し、その後のダイナミックな産業再編に寄与したメカニズムの解明を企図したものである。その構成要素は単純ではないものの、当時財務省が描いていた包括的所得税に基づいた構想が、複雑な政策過程において立法化に至る耐久性を有していたことを示唆できたことが本研究の最大の貢献である。 この点は、我が国において、産業再編を促進する税制改革が既存産業の既得権益によって阻まれてきた現実とは対照的であり、今後の我が国の税制改革の方向性にとって貴重な示唆となる研究である。
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