研究課題/領域番号 |
21K12416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 長崎大学 (2022-2023) 大阪産業大学 (2021) |
研究代表者 |
佐藤 靖明 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (30533616)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | バナナ / 地域間交流 / 人類学 / 人―植物関係 / グローバル化 |
研究開始時の研究の概要 |
ローカル/グローバルの単純な二項対立の図式に当てはまらない人、植物、情報の地域間移動が活発化している。しかし、人―植物関係の研究おいて、それらの動向を理解するための一般的な方法や思考枠組みはまだ確立していない。そこで本研究では、グローバリゼーションの重層性が明瞭にあらわれている作物であるバナナを事例として、世界の小規模な地域間交流をとおして栽培・利用の文化が創造・再編される現象について、人、モノ、知識のネットワークとして記述し、その詳細な過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
グローバル化の急速な進展をめぐる人―植物関係の研究において、それらの動向を理解するための一般的な方法や思考の枠組みはまだ確立していない。そこで本事業は、世界で広く栽培・利用され、グローバリゼーションの重層性が比較的明瞭にあらわれているバナナを事例にとりあげることで、近年の現象がどのような諸要素の関係によって展開しているのかを描写することを目的としている。2023年度は、おもに以下の3つをおこなった。 1.利用面における伝統とグローバリゼーションの関係:2022年度に引き続き、バナナの葉を活用する技法・技術の詳細とその広がりについて、科学的知見や、報道などに注目して文献調査を続けた。 2.日本における栽培の展開:国内のバナナ農園の生産者を訪問して、栽培や出荷をはじめて現在に至るプロセスについての聞き取り調査を実施した。2023年度は、本州で生産者ネットワークをつくっている国産バナナ協議会の会長にインタビューをおこなった。また、奄美諸島の農園に訪問してデータを得るとともに、各農園から品種の葉片サンプルを採取した。この葉片サンプルに関しては、既存サンプルと合わせてFlexible ddRAD-seq法によるゲノム解析を協力者に依頼し、日本列島とパラオのバナナの遺伝的多様性を明らかにする作業をおこなった。 3.マレーシア大学サバ校と連携して、バナナの多様性の高いマレーシア・サバ州においてバナナの現代的展開に関する研究会議を開催するための準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外での調査は円安・物価高により困難な状況だが、日本国内での調査が想定以上に進展しており、日本のバナナの多様性と現在の位置づけが全体的に明らかになりつつある。また、東南アジアへの研究展開の準備も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
日本における研究の成果をまとめるとともに、バナナの新たな利用展開がすすんでいる東南アジアの国内状況について知見を得ることで、現代的な動向を考察していく。また、アフリカに関する既存データからの考察も行っていく。
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