研究課題/領域番号 |
21K12425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
米野 みちよ 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (20798144)
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研究分担者 |
菅谷 成子 愛媛大学, 法文学部, 客員教授(非常勤講師) (90202126)
藤岡 洋 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特定研究員 (80723014)
バリガ マリア・シンシェア 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助教 (10895428)
岡田 泰平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70585190)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 米国統治下フィリピン / デジタルアーカイブ / フィリピン日系人 / 「アメリカの影」言説 / 原資料の再資料化 / 大阪商会 / 日比関係史 / 南進論 / デジタルアーカイビング / アメリカの影 / 映像資料データベース / 大阪商会(大阪バザール) / アメリカ統治下フィリピン / フィリピン日本人移民 / 映像 / 歴史と記憶 / 松井清衞 / 大阪貿易 / フィリピン / 日系人 / 南進 / アメリカ帝国主義 / 大戦間期 / 映像人類学 / 米領フィリピン / 日系移民 / 映像の歴史 |
研究開始時の研究の概要 |
1930年代米領フィリピンで日本人が撮影した映像資料等(「松井家資料」)を整理して、研究者や一般市民などに、使いやすい資料として提供する方策を探る。映像の各カットに関連の写真や情報を紐付けたデータベースを構築する。その際に、上映されて初めて資料として命を得る映像の性質を鑑みて、関係者らと映像を見ながら聞き取り/FGD を行い、アーカイブ作りのプロセスそのものを重視する手法を試みる。その上で、映像等から、20 世紀前半の米領フィリピンにおける日本人移民の日常を再構築し、二つの帝国・植民地・移民をめぐる記憶、表象、および関係性についての理論的考察を行い、ポストコロニアル研究の枠組みの再考を迫る。
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研究成果の概要 |
1920-30年代に米国統治下のフィリピンで百貨店・貿易会社を経営していた松井清衞の撮影した50本の映像および約1000点の写真、およびその他の松井家の資料を分析し、データベース化するプロジェクト。ほぼ全ての映像および一部の写真の撮影場所や時期、内容を特定する作業を行った。メンバーの藤岡の提言により、全ての映像を、ショット毎に分割し、番号をつけて、分析の最小単位とした。一部の映像については、詳細な分析を行った。データベースは映像と写真、地図、などを結びつける仕組みを工夫した。また、映像に登場する当時の日本製品(フィリピンへの輸出品)については、関連企業の関係者と情報交換を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20世紀前半の在比邦人に関する歴史は、戦争との関連のみで語られることが多い。戦争が始まるずっと前に何十年もこの地域で過ごしていた民間人とその家族の日常生活は忘れさられている。本研究では、映画『日本人のわすれもの』(日・英)の上映を国内外で行い、記憶の喚起に貢献した。そして究極的には「記憶は誰のものか」という問いを投げかけた。また、本研究は、2010年代のフィリピン研究における「アメリカの影」の枠組みを再考する機会となった。松家資料郡は、米領フィリピンにおけるマイノリティとしての日本人と、鉱山開発や大規模な木材輸出など帝国主義者(世俗的植民地主義者)としての日本(人)の両方の姿を示唆している。
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