• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

戦後冷戦期におけるソビエト文化の流入・受容に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K12436
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関立正大学 (2023)
目白大学 (2021-2022)

研究代表者

吉田 則昭  立正大学, 人文科学研究所, 研究員 (90823609)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワードカザフスタン / ソ連 / VOKS / モスクワ放送 / 土方敬太 / 広報外交 / 日ソ関係 / 文化交流 / 人的交渉 / オーラルヒストリー / 受容と再受容 / 大衆メディア / 演劇・映画・文学 / ソビエト文化 / 冷戦期
研究開始時の研究の概要

ソビエト文化が戦後日本に与えてきた影響について、歴史史料・インタビューなど一次資料を用いた実証研究を行う。今日、対外文化発信に関する研究の進展はめざましいが、本研究は歴史研究として1945年以降のソ連の文化外交を扱う。1945年から1956年までの期間、ソビエトの雑誌・映画・ラジオの研究とともに、うたごえ運動などシベリア抑留者がもたらした文化運動に関する研究は、実態解明が進展するものと見込まれる。戦後日本文化がアメリカ文化の圧倒的な影響を受けてきた反面、メディアの検閲、コンテンツの輸入制限が多く課せられた中で、対抗文化としてのソビエト文化がいかに流入・受容されてきたかを明らかにする。

研究実績の概要

2023年度は、ソビエト文化の送出先であるモスクワ出張を計画していたが、昨今のロシア・ウクライナ間の国際情勢もあり、モスクワへの渡航がまだ難しい状況にあったため、言語、文化状況も似ているカザフスタンに出張した。
1940年~1950年代のソビエト映画の資料調査のため、カザフスタン国立図書館において、当時の文化交流機関、満州などに関するロシア語、カザフスタン語の資料を検索し、書籍、雑誌、新聞記事を閲覧した。特にVOKS(全ソ連邦対外文化連絡協会)の月刊誌である1940年代の『VOKS Bulletin』や日ソ文化交流関連のロシア語文献を閲覧できたことは今後の研究に資するものとなった。
口頭報告としては、「冷戦期科学技術政策の変容に関する国際比較研究 ―スプートニク事件を転換点として―」(19H01456)の研究会で討論者を務め、2023年7月、20世紀メディア研究会で開催された同研究会のシンポジウムでは司会を務めた。
このように史料収集ではいくつかの前進があったものの、集めた史料を分析して研究成果としてまとめるだけの時間的余力がなく、史料の分析もあまり進展がないまま、見るべき成果のない一年になってしまった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、特に戦後、日ソ文化交流が発動した時期に焦点を当て、ロシア革命前後と1920年代前半の主要な政治アクターに着目し、ソ連の文化交流政策に関わった主要な外交官、共産党の関係者の対日政策観の形成と変動を追究した。
とりわけ、1945年以降、ソ連政府側はどのように東アジアにおける文化外交に着手したのか、どのように日本にアプローチしたのか、革命外交と国益重視を検討したあらゆるアクター間の議論は、いかなる形で展開されたのか、地方と中央の対日観の実態を把握しようと務めた。
また、引き続き史料調査を行いつつ、日本、ロシア、欧米などの研究者と構築した研究ネットワークを活用しながら、これまでの調査で発掘した史料に基づき、国内外において研究を進めたい。

今後の研究の推進方策

2024年度は、ロシア側の一次資料からとりわけ企業(出版社・商社)、日ソ文化交流団体についての調査を行いながら、関係者へのインタビュー、研究者らとの知見の交換を予定している。
今年は最終年度にあたり、1950年代にかけての日ソ関係に関する論文を刊行し、日本または国際学会において報告を行う予定である。最大の関心は、戦後日ソ関係が発動した時期のソ連側の対日政策の全体像を包括的に分析しながら、戦前戦後の連続性を明らかにし、その後の日ソ関係の変動と結びつけ、これまでの研究成果をまとめつつ、今後の研究のために問題提起をすることである。
なお、当初の予定にあったアメリカでの史料調査は、本年においては実施困難となるが、渡航が可能になりつつあるロシア(特にモスクワ、サンクトペテルブルグの公文書館)において、本研究助成で初めての現地調査を行うこととし、総合的な最終研究報告を完成する予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 占領期・1950年代ソビエト映画紹介者としての土方敬太2023

    • 著者名/発表者名
      吉田則昭
    • 雑誌名

      インテリジェンス

      巻: 23 ページ: 127-139

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「「独立科学」としての新聞学の確立とその広がり ―小山栄三『新聞学』―」2022

    • 著者名/発表者名
      吉田則昭
    • 雑誌名

      メディア史研究

      巻: 51 ページ: 71-80

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 出版人・ソ連文化プロモーターとしての大竹博吉の戦後 ―占領期・50年代におけるナウカ社の活動―2021

    • 著者名/発表者名
      吉田則昭
    • 雑誌名

      インテリジェンス

      巻: 21 ページ: 97-107

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 目白文化村の誕生と消滅 -1920年代におけるモダニズムの一例として―2023

    • 著者名/発表者名
      吉田則昭
    • 学会等名
      20世紀メディア研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 占領期・50年代ソビエト文化紹介者としての土方敬太 -文学・演劇・映画を中心に-2023

    • 著者名/発表者名
      吉田則昭
    • 学会等名
      20世紀メディア研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 「緒方竹虎 ─非政党人としての党内基盤の確立─」『歴代自民党総裁のリーダーシップ1 総裁代行委員~第四代総裁』2023

    • 著者名/発表者名
      吉田則昭
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      学文社
    • ISBN
      9784762032622
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『ソビエトグラフ復刻 日本語版』別冊解説2023

    • 著者名/発表者名
      吉田則昭
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      かなえ
    • ISBN
      9784867591949
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi