研究課題/領域番号 |
21K12438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
島田 美和 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 准教授 (60580157)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シビルエンジニアリング / 水利事業 / ダム建設 / 灌漑 / シビルエンジニア / 水利技術者 / ダム / 土壌改良 / 水利 / 永定河 / 蒙疆 / 技術 / 権力 / 動員 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国における近代的「技術」の事例を水利事業に設定し、近現代における中国や日本の水利事業が人々に如何に認識され、中国の「国家と社会」の関係をどのように変容させたのか、という問いを設定する。本研究では日本、台湾、アメリカでの一次資料調査と中国でのフィールド調査を行い、水利事業の実態を国家と地域社会の側面から解明する。また、水利事業における「技術と権力」の関係と水利事業の「空間政治」として役割を提示しあらたな知見を提供することで、従来の中国の水利事業をめぐる「国家と社会」の関係の再検討を行い、近現代中国の各政権における水利事業の異同を比較し類型化する。
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研究実績の概要 |
本研究は「技術」の視点から、近現代中国の水利事業を考察することによって、中国の近代的水利の特徴を見出し、またそれが中国の国家と社会の関係にどのような変容を与えたのかを明らかにすることを目的とする。 2023年4月から2024年3月まで、米国ハーバード大学フェアバンク中国研究センターに訪問研究員として在籍し、米国の資料を利用して米国の水利政策やシビル・エンジニアリングが中国の水利政策へ及ぼした影響や中国の水利事業のグローバルな位置付けを検証した。 アメリカでの資料収集については、スタンフォード大学東アジア図書館、フーヴァー研究所図書館、文書館、ハーバード大学燕京研究所図書館、米国立公文書館、議会図書館等で関連資料について調査収集した。 現地調査については、中国の水利政策に影響を与えたTVA(テネシー川流域開発公社)のノリスダムやボストンのチャールズリバーダムなど20 世紀前半期における中国の水利開発に影響を与えたアメリカの水利事業と河川との関わりについて景観調査を行った。 これらの資料解読と現地調査の結果、1回の国際学会での報告と論文2本を発表し、以下の5 点が明らかになった。①中国への米国の水利技術移転とアメリカ人や中国人技術者による中国の地域社会への近代的水利技術の適用、②中国人水利技術者によるダム建設計画の多様性とダム建設予定地の地域社会に対するダム計画の「複雑性」、③北京の水利技術者達の南京国民政府からの自律性、④日中戦争期間における米国の水利技術の中国への浸透、⑤北京政府期からの米国の水利技術の人民共和国への継承、である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アメリカでの1年間の滞在により、アメリカの大学図書館、議会図書館、国立公文書館での多岐にわたる資料収集とその読解と分析が可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は1年間アメリカに滞在していたため、日本や中国および台湾での資料調査が実施できなかった。今年度は最後の年度となるため、国内や中国、台湾での資料調査やフィールドワークを実施し、アメリカで収集した資料との比較検討およびこれまでの研究成果の内容を補充していきたい。
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