研究課題/領域番号 |
21K12440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
内藤 耕 東海大学, 文化社会学部, 教授 (30269633)
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研究分担者 |
倉沢 愛子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 名誉教授 (00203274)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 新型コロナ禍 / DX / eコマース / インドネシア / コミュニティ / デジタル・トランスフォーメーション / ジャカルタ / デジタルトランスフォーメーション / 生活様式 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナ後のインドネシアにおける生活様式や生活者の意識変化を主にジャカルタの状況にしぼって追う。具体的にはデジタルトランスフォーメーション(DX)の進行、就労形態やコミュニティの変化について調査研究をおこなう。コロナ以前から住民登録カードの電子化やeコマース、配車アプリの普及など、デジタル化が進行していたが、このコロナ禍を機に新技術の導入はさらに加速するものと思われる。他方、「伝統的」な相互扶助システムや人々の衛生観念など、従来型の生活様式の有り様は今後どう変わっていくのか。本研究は、これらをあきらかにするために特定地域の住民の質的調査をおこなうとともに、コミュニティレベルでの観察を試みる。
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研究実績の概要 |
2023年度はジャカルタ特別州のレンテンアグン地区、西ジャワ州カラワン県のスカルユ村、バリ州ジュンブラナ県プンゲラゴアン村など3地域を訪れて調査を行うことができた。本年度はとくにDX関連の調査を中心に行った。 まず第一に配車アプリの普及に関してドライバー側の聞き取り調査をおこなった。コロナ禍のなか緊急避難的にドライバーになった者もいればそれ以前より続けている者もいたが、法律事務所に勤務するかたわら副業として従事するなど概して学歴、職歴ともに低くない傾向が確認された。その一方で、従事する時間の長さの割に収入は多くはないこともわかった。 第二にコロナ禍での教育におけるIT活用について調査した。実際に経験した若年層(10代後半から20代はじめ)の聞き取りを行った。定量的調査ではなかったが、その効果については懐疑的な評価が極めて強かった。もっとも、使用されたアプリケーションなどは多様であり、教育の現場へのITツールの浸透は急速であったと言える。つまり、課題は運用面にあったことが指摘できる。他方、若年層へのeコマースの浸透については眼を見張るものがあった。 二次文献の収集は積極的に行い、変化の早いDXについての情報収集に努めた。だが、これら資料は時流に乗った先端的事例がほとんどであり、DXの進展がはたして社会的な構造変化にどの程度の影響があるかは不明である。タイムラグはあるとは思われるが、23年度の調査で浮き彫りになったのは貧困層から中間層の下層部分の停滞状況である。とくに次代を担う若年層の雇用への好影響を示す事例が少なく、eコマースに見られるように消費面での変化ばかりが目に付く。製造業等でもある程度の変化はあると思われるが、もともと従事者も少ないなかではその効果は限定的と考えられる。今後、マクロ統計などと合わせた分析を急ぎたい。
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