研究課題/領域番号 |
21K12453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
大浦 由美 和歌山大学, 観光学部, 教授 (80252279)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 企業の森林づくり / 森林サービス産業 / 国民参加の森林づくり / 森林の多面的利用 / 地域観光 / CSR / 健康経営 / 企業の森 / 観光 / 森林保全活動 / 関係人口 |
研究開始時の研究の概要 |
企業のCSR活動としての森林保全活動(以下,「企業の森」事業)は,2000年代以降に国や地方自治体による積極的な受入支援策が講じられ全国に広まった。これらの活動では森林作業だけでなく地域文化体験や交流活動などを伴うことが多く,毎年訪れる社員がいわば体験型観光の安定したリピーターとなっている。また,これらの活動を「体験型社員研修」としてコンテンツ化する動きもある。さらに,「地方創生」の観点から地方にオフィスを開設するなど,企業と農山村地域との間に新たな関係性が生まれている。 本研究ではこのような動向に着目し,企業と農山村地域との新たな関係性の構築が地域観光の発展に与える影響について明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、2000年代以降に活発化した企業のCSR活動としての森林保全活動を契機として生じた「企業と森林または農山村地域との新たな関係性」に着目し、こうした取組が地域観光の発展に与える影響について明らかにしようとするものである。2023年度は、引き続き、近年特に注目されている森林空間を活用した健康事業の推進を通じた都市部企業と農山村地域との関係およびその地域観光への影響について、兵庫県多可町を事例に行った現地調査の結果を整理した。 調査結果:当地はグリーンツーリズムや棚田観光などを行ってきたが、近年ではクアオルト健康ウォーキング事業に力を入れており、町政の主軸ともなっている。森林サービス産業推進のきっかけは、当地における人口減少の深刻化であり、地域資源を活かした産業を興し、これ以上の若者の流出を食い止める必要があった。2013年頃から山形県上山市の事例をモデルとして2015年からクアオルト健康ウォーキングを推進し、健康寿命の延伸を掲げて交流人口の増加に取り組んだ。ウォーキングコース周辺の地元自治体や住民の了解や協力を得るのに時間がかかったが、現在は良好な関係を築いている。この事業をきっかけに、企業との関わりが増加した。特に太陽生命やひまわり生命などの生命保険会社である。社員の福利厚生としてのウォーキングへの参加のみならず、コース整備や人材育成への協力、顧客へのウォーキングの周知などでも連携するようになった。また、地域内の飲食店やホテルとも連携し、ランチ付きのウォーキングや宿泊プランなどの旅行商品も造成している。目下の課題はガイドの人材育成で、新たなガイド人材の育成や若手の確保、収益化を図る必要がある。さらに新規顧客の獲得も課題であり、森林環境譲与税のソフト事業として他地域からの活用を呼び込むなどの方策が検討されている。そのためにも受入体制の整備が重要であると認識されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度から管理職に就任することになり多忙化が進んだ。また、2022年度に受けた手術(呼吸器)の影響からは回復しつつあるものの、その後COVID-19に感染したことにより思いがけず体力が低下した状態が一定期間続いてしまい、研究の遂行に支障が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
・昨年度より企画していた都道府県および森林管理局等へのアンケート調査の準備をすすめている。調査会社への業務委託を検討し、効率的に調査・分析を遂行する。また、新たに研究分担者を加える予定であり、調査を分担しながら効率的に取り組む。 ・健康状態も回復したため、各地へのヒアリング調査などデータ収集に取り組む。その際、オンラインミーティング等も活用し、効率的に取り組む。
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