研究課題/領域番号 |
21K12473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
黄 エンケイ 総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (40750526)
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研究分担者 |
パンディット サンタ 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 農学特定研究員 (30869409)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 観光開発 / 生態系サービス / 土地利用 / 国立公園 / エコツーリズム / 観光資源 / 環境保全 |
研究開始時の研究の概要 |
観光学において、観光開発の推進による自然環境への破壊と保全対策の検討は、よく研究課題として挙げられている。しかし、①マクロで観光開発による生態系への影響の定量化と可視化に関する研究がまだ少ない。一方、②マスツーリズムの環境破壊と観光利益の流出に対抗するために、エコツーリズムの概念が作られたが、その実施によって自然環境保全に、どれほどの効果が果たされているかを検証するための研究も少ない。以上を踏まえ、本研究では、年代別の土地利用の被覆調査、経年変化、観光業の発展との関係、土地利用にもたらす生態系サービスとエコツーリズム発展との関係性を解明することを目的にする。
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研究実績の概要 |
日本においては、環境省が整備した1980年代、1990年代、2010年代の植生図データを用いて、生態系サービスの評価に関わるパラメターの収集と整備を行ったうえ、評価を行った。評価対象となる生態系サービスは、食料供給ポテンシャル、水供給ポテンシャル、炭素貯留量、栄養塩負荷量などが含まれている。国立公園の境界線マップのデータ処理は行ったが、観光資源の空間情報が各都道府県別に格納されている。全国分析を行うために、現在ではデータのマージ処理を行っている。 台湾サイトでは、国立公園と観光資源の空間情報が昨年度に整備できた。今年度では、全国の土地利用のポリゴンデータを入手し、地目別の整理を行い、50メートルメッシュ解像度の地図を作成した。生態系サービスの評価では土地利用以外に、パラメターも必要となる。パラメターに関する文献調査は今年度に完成した。現在土地利用データとパラメターを用いて、分析評価に着手している。 ネパールサイトについては、土地利用データは入手できて、土地利用の変化を把握することができた。しかし、生態系サービスの評価に関わるパラメターの収集が困難であり、来年度も収集し続ける。パラメターが見つからない評価項目は他の指標での代用を検討する。国立公園の境界線に関する空間データを政府機関等に問合せした結果、書面資料を入手した。観光資源に関する情報は公式に整備された空間的情報が少なく、全国評価を予定していたが、一部の地域でしか実現できない恐れが出てきた。実現の方針を検討している最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者は雇用先のプロジェクトでは最終年となり、研究成果の総まとめのほかに、自分の就職活動も行わなわなければいけません。よって基盤Cの研究進捗は予定よりやや遅れている。 ネパールサイトの研究を担当している研究協力者は、昨年に双子を出産し、育児しながら研究に携わっている状態のため、ネパールでの研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
日本サイトについては、観光資源の空間情報のデータ処理を完成させたら、空間分析を行い、文化的サービスの指標として使う。他に、整備できたパラメターを用いて調整サービスの評価に着手し、年度内に完成させる。台湾サイトについて、昨年度では入手した土地利用を分析し、年代間の変化状況を把握する。そして、整備できたパラメターを用いて、供給サービスと調整サービスを評価する。ネパールサイトについては、昨年度に実施できなかった文化的サービスのヒアリングとアンケート調査を今年度中に実施できるように促す。食料供給ポテンシャルと炭素貯留量は比較的に評価しやすい生態系サービスのため、今年度中に完成できるようにサポートする。
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