研究課題/領域番号 |
21K12482
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
|
研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
坂口 俊哉 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 講師 (70454353)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 海面遊漁 / ライセンス制 / レジャーフィッシング / スポーツフィッシング / 観光振興 / 持続可能性 / ライセンス性 / ツーリズム / ICT / 遊魚 / 受益者負担 / 海面 |
研究開始時の研究の概要 |
我国の海面で行われているレクリエーションとしての釣り(以下,「遊漁」とする)の持続可能性を規定する「釣り場環境」の維持・管理費用の受益者負担の手法について検討する.具体的には,1)遊漁者,遊漁船業者,釣具小売店,釣具メーカーの4者に対して釣り場環境の維持や保全のあり方についてヒヤリングを行い,2)米国で採用されている「ライセンス制」と"Sport Fish Restoration Act"(以下SFR法:遊漁の対象になる魚類の保全・管理事業を促進するための法律.遊漁に利用される釣具やボート用品などに課税され,集められた税金を信託基金として各州へ分配するシステム)の導入可能性を明らかにする.
|
研究実績の概要 |
本年度は,関連情報の収集整理,海面遊漁における「ライセンス制」を導入した先行事例である北海道の「サクラマス釣り」の関係者へのインタビュー調査,遊漁関連団体関係者へのインタビュー調査を実施した.関連情報の収集整理では,「遊漁」をキーワードとして,J-Stage,CiNii Research,AgriKnowledgeのデータベースを用いて検索を行い,ヒットした論文(学術雑誌論文,紀要論文)の内容を精査した.北海道のサクラマス釣りに関する調査では,北海道水産林務部水産局漁業管理課と,石狩後志海区漁業調整委員会事務局の担当者にライセンス制導入の経緯や制度の内容,釣果実績などについて半構造化インタビューを実施した.さらに,遊漁関連団体として「NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)」「一般社団法人全日本釣り団体協議会」の担当者と遊漁船事業者,釣具小売店事業者を対象にヒアリングを行った.主な結果として 1.サクラマスのライセンス制については漁業者と遊漁者のコンフリクト回避(漁場の調整機能)が目的であり,水産庁や水産関連行政がおこなってきた「漁業の管理」「水産資源の保護」の観点から遊漁を規制する方針と基本的に変わりがないこと. 2.水産行政は,遊漁の振興やそれを通じた観光振興,釣具業界の産業振興などの政策展開に積極的ではなかったが,近年,「釣り文化振興モデル港」事業など,国土交通省など他省庁との連携によって,遊漁振興への関わりを増していること. 3.「遊漁」を扱った研究論文の多くが「資源管理」の立場から書かれたもので,「資源量の推定」や「放流効果」などに焦点が当てられた研究が多く,レジャーや観光振興にフォーカスした研究は散見される程度であったが,遊漁が地域経済に与える経済的効果が注目され始めていること. など,ライセンス制の導入を取りまく背景が明らかになった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染症対策の影響で行動制限があり,本務校での業務との兼ね合いで,インタビュー調査の予定が遅れたことが主な要因である.R5年度は,行動制限が緩んだことから,遅れを取り戻すための計画変更について検討している.現在は,R4年の研究内容を整理して,学会発表等の準備を進めている段階である.
|
今後の研究の推進方策 |
R5年度は,これまでのインタビュー調査の対象を広げるとともに,インターネットを利用したアンケート調査を実施する.具体的には,水産庁,釣具業界団体,鹿児島県内の海区漁業調整委員会へのインタビュー調査を依頼する予定である. コロナ禍による初年度の遅れが影響しており,研究期間の延長も含めて,研究計画の修正を検討している.
|