研究課題/領域番号 |
21K12483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
神谷 大介 琉球大学, 工学部, 准教授 (30363659)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 観光危機管理 / 津波災害 / 津波 / 無電柱化 / 当初 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,沿岸災害に対して物理的にも社会的にも脆弱な亜熱帯島嶼観光地域である沖縄県八重山地域を対象とした実践的研究を通して,観光地域に適した減災社会構築のための計画方法論の提案を目的とする.特に携帯電話位置情報データ等が活用しにくい地方部においても適用可能な観光流動推計手法を提示するとともに,それを避難誘導等の観光危機管理計画へと展開するものである.
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研究実績の概要 |
本研究では沖縄県の八重山地域と宮古島市を対象として,津波災害リスクに対する観光客の避難について検討を行った.スマートフォンの位置情報データをもとに,観光客と地元民との滞留状況を把握するとともに津波浸水想定区域との関係を明らかにした.この結果,宮古島市よりも石垣市の方が観光客は津波の被害を受けやすいことを示した.特に観光客のみが存在するビーチや景勝地も存在し,このような場所では観光事業者をはじめとした地元民の避難誘導が期待できないため,避難に関するサインの配置が重要であることを示した. 一方,石垣市の市街地を対象に,Wi-Fiパケットセンサやスマートフォンの位置情報,国勢調査や建物情報を用いて津波避難シミュレーションを行った.マルチエージェントシミュレーションの手法を用い,時間帯別の地元民(年代別)の分布および観光客の分布を再現し,これらを初期位置としたシミュレーションを行った.この結果,観光事業者のみの避難誘導では地域的な偏りによって十分な効果が得られないことが示された.このため,観光地域においては住民参加型の観光客避難誘導の仕組みが重要であることが示された.しかしながら,石垣市の市街地部であっても上述と同様に,時間帯によっては観光客しかいない場所も存在し,住民の避難誘導でも不十分な場所があることが示された. さらに,津波避難ビルにおける避難者の収容能力オーバーの課題,一部の道路に避難者が集中する課題など,受け入れ施設の容量や配置,避難経路についても課題が明らかになった.避難経路については,無電柱化施策に鑑み,避難から見た無電柱化優先度にまで論を展開した. これまで沖縄県やコンベンションビューロなどと連携しながら観光事業者の危機管理能力を高めるための取り組みを行ってきたが,今後は観光地域で生活する人を巻き込む取り組みが必要であり,今後の課題とする.
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