研究課題/領域番号 |
21K12492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 平安女学院大学 |
研究代表者 |
尾家 建生 平安女学院大学, 国際観光学部, 教授 (30441124)
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研究分担者 |
高田 剛司 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (80812966)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ガストロノミーツーリズム / 価値共創 / フードフェスティバル / コミュニティ / コンヴィヴィアリティ / フードコミュニティ / コンヴィヴィチュアリティ / フードトレイル / コンヴィヴィチュアリティ― |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は観光とガストロノミーの関係性を主軸として、ガストロノミーツーリズムのひとつであるフードトレイルにおける事業者と観光客間の価値共創を実証しようとするものである。フードトレイルは、食のブランディングを志向するフードツーリズムとは根本的に異なり、生産、加工と料理を通じたガストロノミー体験や場所の味覚への探求により地域全体のブランディングをめざすものである。その競争優位性は、観光客の成熟(自律性)によって可能となる事業者と観光客とのスキルと知識の交換によって生じる価値創造にある。観光客が自主的に直接事業者と関わるフードトレイルにおける価値共創は、観光のイノベーションへつながると考えられる。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究実績は次の通りであった。 (1)京丹後市の「収穫祭」アンケート調査の準備と実施(5月)及び調査データーの検証(1月~3月):「収穫祭」のアンケート調査はこれまでの予備調査や関係者へのインタビュー調査の成果を踏まえた上で、4人の大学生の協力を得て5月27日に実施した。(2)ヨーロッパにおける各地のガストロノミーツーリズムの事例視察とラドローフードフェスティバルの実態調査:尾家・高田の共同での調査(ラドローフードフェスティバル:9月とバーミンガム)を中心として、尾家(英国内の地方5都市)と高田(スペインのビルバオ・サンセバスチャン、フランスのディジョン)とを分担して現地の関係機関への視察調査を行った。ラドローフードフェスティバル2023の調査は9月の開催期間中の2日間を使って実施した。会場での各ブースの視察とともに同実行委員長へのインタビュー、ソーセージトレイルやブリュワリートレイルへの参加、近郊のフードセンター(ファームショップ)などへの視察も予定通り実施した。それに前後して英国内の美食都市といわれるリバプールなど5都市の視察(尾家)、スペインの美食都市とフランスのディジョンにあるガストロノミーミュージアム(高田)の視察を行い、各国でのガストロノミーとツーリズムの関係性及び共創の貴重な成果を得た。(3)本研究の報告論文の文献レビューと執筆。(4)共創のテーマに関連した発酵醸造ツーリズムの現地調査。(5)ガストロノミーツーリズムについての入門書の出版。 なお、本研究スタート時の研究対象は当初フードトレイルであったが、国内でのフードトレイル開発そのものの進展が見られないため同じ京丹後市内で開催されているフードフェスティバルへ変更をした。変更による価値共創の研究そのものに影響はなく、研究の母体団体も変更はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の重要課題であるローカルフードフェスティバルのアンケート調査が学生の補助を得て十分な成果を得ることができた。前年度の予備調査において調査手法の改善を行い、それが功を奏した形になった。又、それまでに収穫祭の出店者や出店内容をヒヤリングやそれまでの収穫祭により熟知していたことも成功の大きな要因だった。調査対象が結果としてフードトレイルからフードフェスティバルに変更したが、同じ事業体だったことと、ガストロノミーツーリズムにおける両者の特性を事前に把握していたこともあってスムーズに調査を進めることができた。ヨーロッパ視察における各訪問先、視察フードフェスティバルも全体として成果の多いものになり、研究課題に合致したものであった。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題に関連する文献レビューをさらに深め、最新の論文をレビューした上で研究成果を論文にまとめる。またガストロノミーツーリズムの価値共創に関連する事例研究をさらに広げ、今後の研究方向を定める。
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