研究課題/領域番号 |
21K12500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
佐藤 文香 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10367667)
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研究分担者 |
千田 有紀 武蔵大学, 社会学部, 教授 (70323730)
永山 理穂 一橋大学, 大学院社会学研究科, 日本学術振興会特別研究員(DC) (90987752)
孟 令斉 一橋大学, 大学院社会学研究科, 日本学術振興会特別研究員(DC) (50987964)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | フェミニズム / ジェンダー / ウーマン・リブ / 歴史叙述 / インターセクショナリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は錯綜するフェミニズムの現状を整理し、「第二波フェミニズム」の思想的意義と達成、そして限界を考察しようとするものである。「第二波フェミニズム」を、改めて日本の歴史的文脈のなかに位置付けて理解し、その成果と課題を理論的・実証的に明らかにしたうえで、フェミニズムの新たな歴史叙述を模索していく。世代間の差異を強調した単線的な進歩史観を問い直し、日本のフェミニズムの評価を再検討することを目指す。
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研究実績の概要 |
令和5年度も、研究代表者、研究分担者、研究協力者3名に、所属研究室の大学院生5名、ゲスト数名を加え、計9回の研究会を開催した。 理論研究としては、二年半にわたってつづけてきたインターセクショナリティに関する重要文献の読解は前期で終了し、後期からは精選した論文を『インターセクショナリティ基本論文集』として刊行すべく、訳文検討会の開催に切り替えた。 実証研究としては、日本の第二波フェミニズムであるウーマンリブ運動にリアルタイムでかかわった経験を持つ女性たちへのインタビューを進めた。研究協力者の平井和子氏によって、安保・学生運動を体験し、子育てグループと共にウーマンリブにかかわるようになり、「満洲引揚げ」や「中国残留妻」などの支援活動をしつつ、黒川開拓団の「性接待」問題に先駆的に取り組まれた林郁さん、大学時代にウーマンリブと出会い、広島でミニコミ誌を発行し、女性史研究者の加納実紀代とも深く交流し、広島におけるフェミニズム運動の拠点となっている「加納実紀代記念館・サゴリ」を主宰する高雄きくえさんへの聞きとり調査を実施することができた。これらのインタビューのトランスクリプトを読むことは、特に若い世代の大学院生にとっては、第二波フェミニズムを生きた当事者たちの生の声を知る貴重な機会となった。 これらの研究成果は、研究代表者、研究分担者、研究協力者が各々の研究課題を追究する上でも基盤となるような共有知として蓄積されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、文献研究による理論研究とインタビュー調査による実証研究を柱としているが、いずれも順調に進行しており、計9回のオンライン研究会を定期的に開催することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、『インターセクショナリティ論文集』の刊行を目標に作業をつづける。選定した重要英語文献には、研究代表者・研究分担者が解説論文を付す予定であり、各々の訳文の精度をあげながら、訳註や解説の執筆に向けた準備をすすめていく。あわせて、インタビュー調査を続行し、第二波フェミニズムに携わった女性たち自身の経験について、語りの収集をつづける。
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