研究課題/領域番号 |
21K12507
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
高松 香奈 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (10443061)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 平和構築 / 女性兵士 / UNSCR1325 / ジェンダー / DDR / *ジェンダー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は武装勢力(武装組織)の構成員として戦闘に参加した女性の元兵士の処遇をテーマに、1)紛争後の平和構築プロセス・復興支援プロセスにおいて、女性の元兵士(武装勢力の戦闘員)の処遇が、どのように政策上議論され、重要な文書に盛り込まれ/盛り込まれなかったのか、そして2) 文書策定環境(文書を策定するグループの構成メンバーや影響を与える法律、国際機関等の関与等を含む)は、文書の内容にどのような影響を与えたのかを明らかにすることを目的としている。そのために政策文書(「和平合意」・「UNSCR1325行動計画」・「復興計画」)のテキスト分析と、文書策定環境の比較・考察を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は武装勢力に焦点を当て、元女性戦闘員の処遇(主に紛争後の処遇)が、政策文書でどのように位置付けられているのか、そして文書策定環境やプロセスがどのように政策文書に影響をあたえているのかについて考察をしている。これまでの研究では、前提条件の整理としてWARD(v1.3)のデータ全期間と、そのデータを補足するために先行研究やその他データを参照し、女性の戦闘員の参加状況について類推した。その上で、アジア太平洋地域、とりわけミャンマーに焦点を当てた。 政策文書の考察としては、UNSCR1325のASEANの地域的行動計画(2022)やその他の地域的な枠組みに関する政策文書と、ミャンマーの和平協定をテキスト分析した。また、策定プロセスに関連する情報としては政府の公表されている統計や議事録などの資料に基づいて分析をおこなった。近年の国連などの国際的な政策文書では、確実に女性の元兵士(戦闘員)を認知する必要性の認識は広がっている。ただ、その認知の仕方については、ジェンダー・ステレオタイプ化された傾向が依然として強かった。さらに、ASEANの文書の特徴としては、紛争と女性との関わりについてのステレオタイプ化と、戦闘員としての女性の不可視化が顕著であることが指摘でき、ミャンマー和平協定などでは兵士の処遇についてはほぼ盛り込まれていないのが現状である。 2022年度の研究で、女性戦闘員に対する意識(武装勢力やコミュニティ、国の持つ意識)が、女性戦闘員の紛争後の役割にも影響を与える可能性を指摘した。そのため、2023年にはキーインフォーマントからの情報を収集し、2024年度に実施する聞き取り調査の準備を行った。また、海外の研究者との研究会(オンライン)で、コミュニティレベルの治安組織では女性の武装化が顕著に見られる現状から、「平和構築」の捉え直しについて貴重なコメントをいただき、今後の研究にも反映していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遅れた理由は次の通りである。 まず、本研究では初年度の2021年に遅れた研究範囲があり、それを2022年度、2023年度にも継続的におこなった。その中で、当初明確には予定していなかった、聞き取り調査の実施の必要性が浮かび上がり、追加的に研究を実施していることが遅れの理由の一つである。また2023年度には本格的な聞き取りのためのキーインフォーマントからの情報収集に時間を要し、そのため聞き取りが2024年度にずれ込んでいる。 また、研究実績の概要でも示したように、近年はコミュニティの治安組織としての女性の武装化の傾向が強まるなど、平和構築そのものを捉え直したり、また追加的な研究が女性戦闘員の処遇を考える上で重要であるため、その作業も行なっている。 そして、当初予定していた海外での学会発表などができなかったというのが遅れの理由の一つでもある。参加ができなかった理由は、上記に述べた研究の遅れに加え、2023年度も渡航スケジュールの調整が極めて困難となったことによる。そのため、研究交流の中でコメントを得る機会などが限定的であり、最終的な研究のとりまとめにも影響がでている。
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今後の研究の推進方策 |
基本方針には研究の推進方策に大きな変更はなく、2023年の研究で完了することができなかった部分の継続と、コメントを受けた研究課題部分についての議論を深めることである。 まず2024年度の大きな研究の柱としては、キーインフォーマントからの情報を得て実施する元戦闘員への聞き取り調査である。この聞き取りはオンラインではなく、現地(タイとミャンマーの国境において)で聞き取り調査を実施する予定であり、対象者とのコンタクトに問題が発生した場合には、現地のNGOの協力を得て対応をしていきたいと考えている。 そして、研究成果の発表のための学会報告を行なっていく。学会報告については、女性戦闘員の研究に従事する研究者が多数いる海外の学会参加のためのスケジュール調整が適わなかったため、2024年度は確実に調整をして参加していきたいと考えている。これまで、オンラインの場ではあるが、アジアを中心とする研究関係者の協力や、コメントを得る機会などがあり、その交流の中でグループでの研究発表なども発案されている。研究期間内においてシンポジウムなどの実施は難しいが、可能であれば学会での企画セッションなどを検討し、スケジュール調整が課題ではあるが実施し、研究成果を発表したいと考えている。
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