研究課題/領域番号 |
21K12510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
眞城 百華 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (30459309)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 南アフリカ / エチオピア / 女性兵士 / ジェンダー / アフリカ史 / エージェンシー / アフリカ / 解放闘争 / 女性 / 紛争 / 女性史 / 連帯 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の学術的「問い」は、紛争下においても女性のエージェンシーは発揮される場があり、これは戦後の復興や新しいジェンダー秩序の再編にも寄与する、という点にある。そのため本研究ではアフリカの紛争下から戦後に架橋される女性のエージェンシーを紛争に関与した女性たちのライフヒストリー研究を通じて分析を行う。 紛争当事者である女性たちが関与した加害、犠牲や被害とともに政治を変革する主体となる多様な階層出身の女性たちが紛争下からエージェンシーを発揮し、戦後の復興や平和構築に寄与するアクターとなる点を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は海外調査を再開することができ、春学期は海外調査を再開し、調査を本格化するための準備を進めた。倫理審査を含むインタビュー調査の準備や9月以降のサバティカルを利用した長期調査のためのビザ取得なども準備も進めた。また同時に文献研究も進めた。4月には、エチオピア政治に関して学会シンポジウムにおいて研究発表も実施し、女性兵士を取り巻くエチオピア政治に関する研究成果の公表を行った。 11月以降、南アフリカに滞在し、南アフリカにおける元女性兵士に関する調査を実施した。また研究者との研究交流も進め、今後の研究成果の公表についても議論を行った。女性兵士に関して来年度に開催を検討しているシンポジウムについて関係する研究者と数度にわたる打ち合わせも実施した。 エチオピアにおける現地調査は、2020年から始まった紛争の影響で実施できない環境にあったため、在外ティグライ・コミュニティに関する調査を行い、紛争の影響、紛争下の連携や支援の状況に加え、ティグライにおける紛争と女性の状況に関する情報収集を行った。 2023年1月にはケニアに渡航し、ケニアのティグライ・コミュニティの調査を実施した。2023年2月には、エチオピアに10日渡航し、首都において情報収集、関係者へのインタビューを実施した。その後、再び南アフリカにおいて、元女性兵士に関する文献研究を進めるとともに、それらの女性兵士を取り巻く南アフリカとエチオピアの政治についても文献研究を深めた。また、南アフリカとエチオピアが1980年代の内戦下で女性解放について国際的な女性組織との連携を取った点についても文献研究をすすめ、次年度の調査や史料渉猟のための準備を進めた。 本年度の研究では海外調査の本格的な再開に伴い、インタビュー調査ならびに史料渉猟や文献研究を集中的に実施した。これにより最終年度となる次年度の研究成果の公表と総括につながる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で中断していた海外調査を再開することができた。南アフリカでは新たなインフォーマントの開拓も積極的に行った。エチオピアに関しては、2020年から始まった紛争の影響により現地調査が困難なため、在外ティグライ・コミュニティの調査や首都における調査を軸に情報収集を行い、70年代80年代の女性兵士と2020年以降の紛争の関連性、連続性や差異について新たに研究を開始した。2022年11月にティグライの紛争については和平合意が結ばれたものの、安全状況が十分回復しておらず、今後も現地調査が困難となる。新たに開始した在外ティグライ・コミュニティの調査などを基盤に、新たな調査を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、4月と5月にに学会シンポジウムや国際会議において研究成果の公表を行いつつ、研究者との交流を深める。 4月中旬以降は、イタリアを拠点としてヨーロッパのティグライ・コミュニティの調査を進める。またアフリカの解放闘争と女性解放に関する研究についても研究を行う予定である。 最終年度となるため、研究成果の公表に向けて集約的な調査と研究成果の取りまとめを進める。
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