研究課題/領域番号 |
21K12529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高梨 宇宙 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (40646692)
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研究分担者 |
岩本 ちひろ 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (50649770)
竹谷 篤 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 副チームリーダー (30222095)
田村 勝 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, チームリーダー (50370119)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中性子イメージング / トモグラフィ / 画像再構成 / CT再構成 / 多元連立一次方程式 / システム行列 / 再構成 / アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
CT撮像においては、光源がサンプルに対して相対的に同程度の大きさを持つような面光源用いる場合や、熱揺らぎなどにより、ビーム経路が理想的な幾何学的配置と異なる。これにより理想的光源を想定した再構成画像では、画質低下を生じ、吸収係数分布評価の定量性が劣化する。 そこで、CT撮像において、より現実的なビーム経路情報を元に代数的再構成を行うことで、再構成された画像の定量性を向上させる。 またこの手法では、サンプルを光源に近接して配置した時の影響を評価できるため、特に中性 子イメージングに必要である高いビーム平行度( L/D )と二律背反である光量の損失を回避し、ビームを最大限に利用する道が開かれる。
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研究実績の概要 |
CT撮像を行うには、X線や中性子、光などの光源と検出器の位置関係で決まるビーム経路の情報が重要である。撮像対象内の経路の情報をもとに画像再構成が行 われる。X線などの点光源と異なり、中性子源は無視できない大きさの面光源である。このため、必要となる経路の幾何学的配置を記述するシステム行列はより 複雑になる。画像再構成処理は、システム行列で表現される多元連立一次方程式を解くことで行われる。システム行列の特性の一つである列のランクは、最終的 に得られる断層画像の画素数、検出器画素数、撮像時に対象物を撮像する方向の数(投影数)と関係し、再構成計算における不定方程式の数にも関係し、最終的 に再構成断層画像の画質および定量に影響する。 また、特に大型の中性子発生源に比べ、発生中性子数の少ない小型中性子源を利用する場合、光源と撮像対象物、検出器の距離による中性子の減衰を抑えること が重要であるが、距離と光源のサイズ比で表すパラメータL/Dが小さくなる配置では画質の著しい低下を避けられなかった。 本交付申請時点で、対象とするシステム行列の幾何学的配置は、再構成する断面に限定したものであったが、上記のような状況に対して本申請における手法を3 次元的に拡張して適用することで、光源からの距離を極限的に短く配置できる可能性が見えてきた。これにより、小型中性源でも短時間で良好な画質のCT画像を 撮像できる可能性がある。 本年度は、理研で開発中の加速器中性子源を用いて、光源と検出器の距離をほぼゼロと見做せる設定において、画質評価に用いるチャート撮像による極短距離における中性子イメージングを行なった。また、従来のシステムで撮像対象としたサンプルの撮像を行ない比較検討を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中性子イメージングに関して分担研究者である国立研究開発法人理化学研究所光量子工学研究センター副チームリーダー竹谷篤の退職に伴う科研費申請資格の削除に伴い、本研究の継続に必要な技術の引き継ぎが発生した。このため、当初予定していた進捗よりも遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に取得した極短距離の中性子イメージングデータに基づいて、CT画像再構成に必要となる中性子光学に基づくシステム行列の具体化を行う。また、極短距離CT撮像による定量的3次元再構成を試みる。
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