研究課題/領域番号 |
21K12532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金子 純一 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90333624)
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研究分担者 |
人見 啓太朗 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60382660)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | γ線 / エネルギースペクトル / 半導体検出器 / TlBr / 捕獲準位 |
研究開始時の研究の概要 |
全吸収ピークのみからなるγ線エネルギースペクトルをエネルギー分解能1%程度で簡便に 取得可能なγ線検出器を実現するため、高検出効率を誇るTlBr半導体検出器の電荷キャリア 輸送特性を改善する。電子、正孔それぞれに対する電荷捕獲準位を直接的に評価する手法を 構築し、他の評価法と合わせ、不純物除去、化学量論比制御、結晶性の高い単結晶育成、構 造欠陥を生じにくい検出器製作プロセスの開発にフィードバックする。
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研究実績の概要 |
今年度はTlBr合成工程の見直しを共同研究者と進めた。特に合成雰囲気に関して、各種条件を試みた。また検出器の長期安定動作にかかわる実験として電極材料の探求も進めた。また、構造欠陥を導入しにくい検出器製作法の検討も行った。さらに捕獲準位を同定するための光照射I-V測定装置の製作を進め、次年度の本格測定を行うための環境整備を行った。 合成雰囲気に関しては各種ガス、圧力条件で試料作製を進めた。特に腐食性の高いガスの使用にも積極的に取り組み、安全かつ安定して試料合成雰囲気を、化学合成、調整する技術を獲得した。今年度は帯域精製300回目前で試料アンプルが破損する事象に見舞われたが、破損した試料アンプルの観察結果に基づき破損原因の推定を試み、試料アンプルの再設計、改良等をすすめた。現在、改良型試料アンプルを使用して合成を進めている。電極材料の探求に関しては系統的な研究が順調にすすみ、知財の申請を念頭に置き研究を進めた。次年度前半に各種電極材料を蒸着したTlBrのI-V特性を評価後、知財を申請し、秋には学会発表を行う予定である。構造欠陥を導入しにくい検出器製作法の検討に関しては、結晶切断法の改良を進めた。 捕獲準位評価用の光I-V測定装置に関しては、先行研究で作成した試作機の課題であった「測定中の雑音」の低減のために、測定装置の要件定義、再設計、改良等の整備も順調に進み、次年度の本格的な試験開始に向けて各種調整、校正に入りつつある。 合成に関して各種技術が整ってきた。次年度目標であるエネルギースペクトロメータグレードの結晶の安定合成、ならびに捕獲準位評価を行うことを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
結晶合成プロセスの改善については着実に進んでいるが、帯域精製回数300回目前で試料アンプルが破損する事態に見舞われた。アンプルの構造を改善してトラブルの発生回避を試みた。電極関連の実験に関しては順調に進んだ。また光照射I-V装置についても順調に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
今年度発生した問題点の改善を現在進めており、次年度は3回以上の結晶育成を予定している。また電極関連の研究も予定通り進める。さらに光照射I-V装置を本格稼働し、次年度は捕獲準位等の解明にあたる。
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