研究課題/領域番号 |
21K12549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 多摩美術大学 |
研究代表者 |
湯澤 幸子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (30756135)
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研究分担者 |
吉村 純一 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (20524135)
福島 秀哉 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 客員連携研究員 (30588314)
福井 恒明 法政大学, デザイン工学部, 教授 (40323513)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 都市のリビング / うちがわからの発想 / 人のための環境 / ランドスケープアーキテクト / インテリアデザイン / 大野美代子 / 橋梁デザイン / 領域横断的デザイン / デザインの継承 |
研究開始時の研究の概要 |
社会的要請の多様化と共創的デザインによる課題解決の必要性の高まりから、空間デザイン分野における領域横断的デザインの社会実装へのニーズと関心の高まっている一方、多くの課題が指摘されている。本研究は、日本の空間デザイン分野で領域横断的デザインの社会実装が充実し始めた1970年代に、デザイン対象のスケール、社会実装を取り巻く社会状況が大きく異なるインテリア、土木デザインの双方で活躍した大野美代子のデザイン思想・技術の特徴の分析を通じて、領域横断的デザインを可能にするデザイン思想・技術の特徴を解明する。
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研究実績の概要 |
大野美代子のデザイン思想の特性及びその影響について、インテリアデザイン分野と土木デザイン分野の二方向からのアプローチにより研究を行い、互いの成果を持ち寄り、多角的視点に立って議論し、分析した結果を発表した。2021年に多摩美術大学アートテークギャラリーにて開催した展覧会「ミリからキロまで」展では、研究者だけでなく、研究機関(多摩美術大学、東京大学、法政大学)の学生たちと協働し、活動及び研究成果をインスタレーションというアート表現に展開して発表した。その結果、大野美代子の領域横断的なデザイン活動の可能性を一般に広めた。コロナ禍という行動制限の中であったが、活動記録動画を作成し、情報発信することで、大野への関心の高まりに寄与し、研究者が増えた。特に、大野の「都市のリビング」に着目し、公共事業としての橋梁設計という従来の捉え方から、人のための居場所づくりという発想転換を起こした事実を調査し、分析した。今日では当たり前になった思想について、さまざまの視点から指摘することが出来た。インテリアデザイナーと、ランドスケープアーキテクトと、環境デザイナーは、相矛盾するものでは無いという結論を導き出すことが出来た。領域横断は、デザイナーに意識改革をもたらし、既存の社会システムや業界をめぐる課題を顕在化させる事を インテリアデザイン分野、土木デザイン分野の双方から明らかにした。 最終年度は、大野の留学先であるスイス・チューリッヒを訪れ、地勢、気候風土、環境共生に配慮した公共デザイン、道、橋梁を視察し、初年度に視察した熊本アートポリスとのデザイン比較分析を行い考察を深めた。また、研究論文の投稿、土木学会や景観・デザイン研究において研究発表を行った。3年間の研究活動成果を「大野美代子ー研究報告書」という冊子にまとめ、その記念講演として研究発表会を多摩美術大学にて実施した。
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