研究課題/領域番号 |
21K12551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
出原 立子 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 教授 (00299132)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | デザイン学 / 芸術工学 / メディアデザイン / 情報デザイン / 空間演出 / プロジェクションマッピング / インタラクティブアート / 画像情報処理 / 空間演出デザイン / 空間メディア / ビジュアルデザイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、リアルとヴァーチャルを融合する空間メディアの環境構築を目指して、実空間の形状に合った仮想イメージを自動生成し投影することによる、SAR(Spatial Augmented Reality : 空間型拡張現実感)シーンの構築支援システムを開発し、空間演出を行うことを目的とする。すなわち、空間形状の特徴を自動抽出し、それを基に投影イメージを生成する、空間に合った映像プロジェクションを行う汎用性のある手法を構築し、空間演出を行うシステムを開発する。これによって、特定の場所のための映像を予め制作しなくても、様々な空間においてその形状を活かした映像による空間演出を行うことが可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究は、従来のプロジェクションマッピングの映像デザイン手法とは異なる、投影対象の形状情報から映像が自動生成される新たなデザイン手法を構築することを目指している。すなわち、空間形状の特徴点を自動抽出し、特徴点を基に投影イメージを生成し、空間に合った映像プロジェクションを行う汎用性のある手法を構築し、空間演出を行うシステムを開発することを目的とする。それによって、特定の場所のための映像を予め制作しなくても、様々な空間においてその形状を活かした映像による空間演出を行うことができると考えられる。本研究で構築する手法の特徴は、生成されるイメージが投影対象の形状よって形成される点にある。そのため、空間形状に合い、且つ無限に変化の富んだイメージをデザインできる創造性のある手法といえ、様々な空間に合った演出を作り出すことが期待できる。 プロジェクションマッピングにおいて、投影対象物の形状を際立たせるために輪郭線を強調する表現はよく用いられている。そのため本研究では、空間形状の特徴を抽出するにあたり、空間に存在する物の輪郭部分を特徴点として捉えることにした。物体の輪郭情報を自動で抽出するためにRGBカメラを用いて画像を取得し、その画像をもとに輪郭抽出を行った。次に、輪郭部分を活かしたイメージを生成し、空間の特徴的な形状を明確に示し際立たせることで、形状に合ったプロジェクションマッピングを作り出すために、輪郭部分よりパーティクルを生成し緩やかに変化するイメージを生成した。さらに、カメラ画像とプロジェクタの投影画像の位置を合わせるために自動画像補正を行い、映像投影を行えるようにした。これら一連の処理を自動で行うシステムを開発できたことが、今年度までの大きな成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は計画通り進んでおり、これまでの研究成果として、空間形状の特徴点を自動抽出する方法を構築し、抽出した特徴点からイメージを自動生成し、空間形状の対応する箇所に適切に投影するために自動キャリブレーションし、プロジェクションマッピングまで行うシステムを開発することができた。 本システムは、次の処理を自動で行うものである。まず、RGBカメラから取得する画像情報を元に輪郭抽出し特徴点を取得する。次に、空間形状に合わせた投影画像補正を行うために、グレイコードシーケンスの白黒画像を投影してカメラで読み取りプロジェクタの投影位置座標をコード化し、カメラ画像と投影画像との対応関係を抽出する。その対応関係に従い特徴点抽出画像を変換し、特徴点からパーティクルを生成しPerlinノイズを加えて変化をつくるイメージをプロジェクタから実空間へ投影する。本システムを用いて様々な空間形状を対象にした投影実験を行い、前述の機能を満たすことを検証した。 本研究のこれまでの成果は、日本デザイン学会春季大会にて発表した。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、今年度までに計画通り空間演出システムの開発を行うことができたので、今後は様々な場所や空間形状を対象にして投影実験を行う予定である。それによって、空間の形状情報から変化の富んだイメージを生成できるデザイン方法として、様々な空間形状に合った演出を作り出すことができるか検証を行いたい。また研究のための実験に留まらず、空間演出のデザイン実践の取り組みにも展開していきたい。 昨年度まではコロナ禍ということもあり、当初予定していた屋内実験設備を用意して実験することがやりにくく、感染対策ができる開放的な代替場所で実験を行った。漸くコロナ感染拡大防止の特別措置が解かれたので、今後は予定していた実験環境を構築して実験を行いたい。また、屋外の公共空間を対象にした実験についても行うことも可能になってきたため、今後は屋外の構造物を対象にした実験も行いたい。様々な場所で実験を効率的に行うために、どこでも速やかに行える工夫としてプロジェクタ、カメラ、PCからなるシステムのセットも作りたいと考えている。 研究成果は専門学協会の研究発表や学会誌等にも発表していきたい。
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