研究課題/領域番号 |
21K12557
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 兵庫県立工業技術センター |
研究代表者 |
平田 一郎 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 上席研究員 (80470243)
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研究分担者 |
福井 航 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 主任研究員 (60632742)
後藤 泰徳 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 専門研究員 (70470242)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 筋活動 / 可視化 / 日常動作 / 健康寿命 / 筋骨格シミュレーション / 日常生活活動 / GUI / 筋骨格モデル |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者は、健常な状態から要介護状態になるまでに「フレイル」という中間的な段階を経ていると考えられている。フレイル状態が継続すると、生活の質を落とすだけでなく様々な合併症も引き起こす危険があるが、初期段階で対策を行えば、元の健常な状態に戻る可能性があると言われている。そこで本研究では、フレイルになる前段階あるいはフレイル初期段階において、対象者に積極的な(歩行)運動を実施してもらう方法として、運動解析に基づいた効果的な表示方法等のGUIデザインについて研究する。
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研究実績の概要 |
健康長寿社会の実現を目指した取り組みとして「日常の身体活動量を増やす仕組み」について検討した。「メンタルモデルダイアグラム」と呼ばれるUXデザイン手法を応用して身体活動を分類した。厚生労働省の運動基準・運動指針の改定に関する検討会の報告書内の「生活活動のメッツ表」に記載されている生活活動例ついて、メンタルモデルダイアグラムにより「類似した身体活動」ごとに再分類し、日常生活における身体活動とメッツ値との関連性を明確化した。日常生活において、毎回メッツ表を確認しながら活動するのは難しい。そこで日常生活活動とメッツ表との関連性をリアルタイムに確認可能な日常活動量可視化システムの構築を目指した。 さらに、身体活動をより詳しく確認しながら日常活動する方法として、これまでのメッツ値に加え、身体の各部位における筋活動量を可視化する方法についても取り組んだ。ユーザの日常活動を計測し、筋活動量を計算してリアルタイムに生活者にフィードバックするのが理想である。しかし現状では解析に時間がかかってしまうため、解析結果をリアルタイムにフィードバックさせることが難しい。そこで筋活動量については筋骨格モデルにより事前に解析することを想定している。「事前に解析して蓄積した筋活動量結果」と「リアルタイムに計測した動作データ」を関連付けすることにより、日常活動をもとにした筋活動量をリアルタイムにフィードバックさせることが可能とする。昨年度の研究結果をもとに、表面筋電計測を用いなくても筋骨格シミュレーションにより筋活動量の傾向を把握することが可能であることを確認しているため、メッツ表に掲載されている動作を計測して筋骨格シミュレーションすることにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定していた「日常行動の効率的な計測方法」については、昨年度の研究や計測実験により、ある程度検証できている。さらに、当該年度においては「日常行動の分類方法」等の当初は計画していなかった内容についても実施することができた。しかし、最終目標として計画しているGUI設計については当該年度に開始できておらず、当初の計画通り来年度に実施する予定であるため、計画以上の進展にはなっておらず、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの研究で実施してきた内容をもとに、GUIデザインについて検討する予定である。 計測した日常行動データをわかりやすく表示させ、結果を容易に分析可能な計測アプリケーションの開発を目指す。操作画面のデザインは、GUIデザインパターンを活用した画面設計手法を活用する。これまでの研究で、GUIで用いられている汎用的な要素をGUIデザインパターンとして71項目抽出し、それらを7種類に分類している。GUIデザインのパターンを用いた設計手法では、最初に「システムの概要」を決め、それに従い「システムの詳細」を決定する。その後に「可視化、評価」を行う。最初に実施するシステムの概要では目的と目標を決定し、システムについて計画する。システムの詳細では、前ステップのシステム概要を受け、ポジショニング、ユーザ要求事項の抽出、ユーザとシステムの明確化と構造化デザインコンセプトを作成する。構造化デザインコンセプトを基に可視化し、評価する。以上の設計プロセスを繰り返し検証し、アプリケーションの操作性を高める予定である。
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