研究課題/領域番号 |
21K12568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
阿部 眞理 拓殖大学, 工学部, 教授 (50193008)
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研究分担者 |
白石 照美 拓殖大学, 工学部, 教授 (70266237)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 収納家具 / 地震 / 弾性 / スギ / 圧縮木材 / 国産木材 / Furniture / Sugi / Overtune |
研究開始時の研究の概要 |
地震の被害が甚大なわが国においては、室内における被害も多く見られ、室内防災の観点から家具転倒による被害を軽減するための対策が必須と言える。転倒を回避するために行われている対策として家具固定があげられるが、固定の面倒さ、高齢者・女性には固定が難しい等が起因し、実施率が高いとは言えない現状がある。 本研究は、スギ材を改質した後に生まれる弾性を利用することで地震の揺れを受けて共振し、転倒を軽減することができる収納家具デザインを目指し、室内防災とともにスギ材の有効利用の一提案とするものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、圧縮したスギ材に弾性を発揮するよう加工し、その性質を利用して地震の揺れを受けた際に転倒リスクを軽減する収納家具の設計方法を明らかにすることである。 2022年度は、弾性スギ圧縮木材に広葉樹材を組み合わせた家具部材の形状・寸法・種類を明らかにするため、部材の試作を行い、強度試験および振動試験を実施した。その結果、家具部材として適した強度を持ちながら弾性を発揮することを確認した。 次に、この材料を用いて収納家具の側板を制作し、振動試験を実施した。その結果、弾性を発揮することが確認できたため、左右側板に適用した板組み構造の収納家具を試作することとした。板組み構造が実現したことにより収納性を高めることが可能となった。 さらに、広葉樹のみを用いた収納部分を下段、広葉樹材と弾性スギ圧縮木材による側板を用いた収納部分を上段に重ね、高さ寸法1600mm程度の収納家具を制作した。これは、比重の高い広葉樹材を下段にすることで重心を下げることができると仮定したことと、弾性スギ圧縮木材の使用量を減らすことができれば、加工コストの削減が見込まれること、さらに、高さを持たせることで収納力を向上させることができることから試作したものである。試作した収納家具の振動試験を行った結果、転倒リスクを軽減することが明らかとなり、目的の達成に近づいたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ウッドショックの影響から広葉樹材の入手に時間がかかり、試験用家具部材の制作や収納家具の試作が遅れた。また、家具部材の制作においては、試行錯誤する時間を予定より多く費やすこととなった。 弾性スギ圧縮木材の制作においては、作製用装置を前年度より増やして対応したものの、家具部材の試験や収納家具試作に必要な量が多く、制作に時間がかかったことがやや遅れる原因となった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に抽出した強度および振動特性に関するデータをもとに、弾性スギ圧縮木材による収納家具の背板・扉・台輪部材を制作し、強度および振動特性を把握する。その後、各部材を適用した収納家具を試作し、振動特性を明らかにする。収納家具を構成する各部材(側板・背板・扉・台輪・支柱等)に弾性スギ圧縮木材を適用する方法を明らかにすることで複数の転倒リスク軽減家具を提示することができると考える。
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