研究課題/領域番号 |
21K12569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
相野谷 威雄 東京工科大学, デザイン学部, 講師 (20366884)
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研究分担者 |
笠松 慶子 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (90296385)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 共創 / デザイン / ロボット / デザイン思考 / 開発プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
エンジニア型ロボット開発者とサービスデザイン型ロボット開発者によるロボット開発における開発者間および利用者と開発者間とのコミュニケーションツールを開発し、ロボットデザイン開発における創造性創出・共有システムを構築することを目的とする。ロボットにおけるデザイン開発では、その共創手法として開発者が機能要件を整理し、使用時の問題点を評価する実証実験型の開発が多く、顕在的なニーズに対応する開発が中心となっているのが現状である。本研究では利用者と開発者、開発者間を、具体的なロボット開発を通してその情報伝達や情報共有手法などを検証し、創造性創出・共有システムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、ロボットデザイン開発における創造性創出・共有システムの構築を目的とし、R5年度は以下の研究を実施した。 まず、具体的な使用者を想定し、ユーザーヒアリングを通じてニーズを詳細に把握した。得られたデータを基に、デザイン開発における具体的な要件を抽出した。次に、抽出された要件に基づき、複数のデザイン案を作成した。これらのデザイン案を元に、3Dプリンターやその他のプロトタイピングツールを用いてプロトタイプを制作し、使用シミュレーションを実施した。 さらに、プロトタイプを使用者に提供し、実際の使用環境での評価を行った。使用者からのフィードバックを基に、デザインの改善点を洗い出し、再度プロトタイプの調整を行った。また、デザイン開発者とロボット開発者の間でのコミュニケーションを改善するためのモデルを評価した。特に、キースケッチ、ディメンションスケッチ、3DCADデータの共有プロセスにおける暗黙知を形式知化する手法を検討した。 研究成果は、国内外の学会で発表し、査読付き論文としてまとめた。特に、プロトタイピングの有効性や、エンジニアや製作業者とのコミュニケーションを通じた「隠れたナレッジ」の共有について報告した。これらの成果は、ロボットデザイン開発におけるコミュニケーションの改善と創造性の促進に寄与するものである。 コロナ禍による制約は引き続き存在するものの、オンラインでのコミュニケーションツールの活用により、オンラインヒアリングやリモートプロトタイピングを通じて研究を進展した。一方で、対面でのユーザー評価や実験の一部に遅れが生じたため、全体としてはやや遅れている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による制約により、対面でのユーザー評価や実験の一部に遅れが生じた。オンラインでのコミュニケーションツールを活用し、オンラインヒアリングやリモートプロトタイピングを通じて研究を進展させたものの、当初計画していた対面での評価や実験の一部を実施できなかったことが影響し、全体としてはやや遅れている状況である。ただし、研究の主要な部分は着実に進展しており、得られた成果は学会発表や論文としてまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2024年度に向けて、以下の研究を推進する。 まず、これまでの研究で得られた知見を基に、さらに具体的なロボット開発の事例に焦点を当てる。特に、ユーザーヒアリングを通じて得られたニーズを詳細に分析し、デザインとロボット開発の統合に向けた要件を明確化する。次に、これらの要件に基づき、プロトタイピングと使用シミュレーションを繰り返し、デザインの改善を図る。 また、デザイン開発者とロボット開発者の間でのコミュニケーションモデルの評価を継続し、最適な共有ツールの確立を目指す。特に、暗黙知の形式知化手法の有効性を検証し、実際のロボット開発プロジェクトへの適用可能性を探る。 研究成果は、国内外の学会で発表し、査読付き論文としてまとめる。また、ワークショップやセミナーを通じて、研究成果を広く共有し、フィードバックを得る。これらのフィードバックを反映させ、最終報告書を作成し、研究の総括を行う。 最終年度では、これまでの研究成果を集大成し、ロボットデザイン開発における創造性創出・共有システムの構築に向けた提言を行う。また、研究成果の社会実装に向けた取り組みを検討し、実際のロボット開発プロジェクトへの適用を目指す。
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