研究課題/領域番号 |
21K12572
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
山下 健 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (50783990)
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研究分担者 |
宮地 弘一郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (40350813)
蛭田 直 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 准教授 (80548230)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 自助具・補助具 / デジタルファブリケーション / 3Dスキャン / パラメトリックデザイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、自助具および補助具を対象にパラメトリックデザイン技法の開発を行う。ヒトとモノを繋ぐための諸条件を明らかにして、新たなパラメトリックデザイン技法の制作環境をデジタルファブリケーションと組み合わせて実現する。その上で、福祉施設や養護学校の現場で、専門的なパラメトリックデザイナーではない現場スタッフなどの関係者が、調整と製造における中長期的かつ継続的な支援が可能な運用環境の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度は以下の研究を実施した。 課題2.ヒトとモノとを繋げることを前提に、ヒトの身体情報をデジタル化してパラメトリックに適応する際に必要となる諸条件の確立として、モノと繋げるためのデータ処理の検討を行った。前年度は身体の3Dスキャンに高精度なハンドヘルド3Dスキャナーを使用したが、施設や学校の現場での運用環境を目指していることから、低コストで運用可能なスマートフォンを用いた3Dスキャン方法の検討を実施した。フォトグラメトリック、LiDARなど複数の方法で3Dスキャンを行い、取得したデータをもとにパラメトリックモデルを作成したが、高精度3Dスキャナーに比べると精度が落ちてしまうため、3Dスキャンの方法とデータ処理に関して、引き続き検討を行う。また、対象箇所や制作する自助具・補助具によっては、必要とする精度も異なるため、目的に適した3Dスキャン方法の検討を行う必要があると考えられる。 課題3.ヒトとモノを繋げるパラメトリックデザイン技法の確立を進めるため、ホックの試作を実施した。通常、モノを留めるために使用するホックは対象物に穴を開けたり、接着するなどしてホックを固定するが、対象物に加工することなく仮固定できるホックを試作した。試作をベースに用途に合わせて形状を変えることができるホックのパラメトリックモデルの制作を行った。パラメトリックモデルについては、3Dデータにとどまっているため、次年度は実際に出力し、検討を続ける。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に実施ができなかった、課題1.ヒトとモノを繋げるパラメトリックデザインのニーズ調査について、2022年度もCOVID-19の影響により、養護学校、福祉施設での調査に制限が生じたため、遅れが生じた。調査方法も改善し、次年度も継続調査を行う。 課題2.ヒトとモノとを繋げることを前提に、ヒトの身体情報をデジタル化してパラメトリックに適応する際に必要となる諸条件の確立のうち、適応すべき人体の箇所については、ニーズ調査の遅れから対象箇所を絞ることができなかった。その他については、おおむね計画通りに進んでいる。 課題3.ヒトとモノを繋げるパラメトリックデザイン技法の確立については、パラメトリックなホックの試作までは実施できた。身体形状に沿った補助具としての腕置台のパラメトリックツールの制作は実施できなかったため、次年度実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現地でのニーズ調査について遅れが生じているため、引き続き調査を進めて、適応すべき人体の箇所の検討を行う。運用環境の低コスト化を目指すため、スマートフォンを活用した3Dスキャン及び取得したデータをもとにしたパラメトリックモデル化手法の確立を進める。身体形状に沿った補助具のパラメトリック化とパラメトリックなホックの試作を継続し、協力施設との実践、検証環境の構築の検討を行う。
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