研究課題/領域番号 |
21K12582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
吉村 誠 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (70141116)
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研究分担者 |
葛 崎偉 山口大学, その他部局等, 特命理事 (30263750)
中田 充 山口大学, 教育学部, 教授 (60304466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 中国古典文学 / 日本古典文学 / 日中比較文学 / 中国古典 / 日本古代文学 / 文選 / 万葉集 |
研究開始時の研究の概要 |
『万葉集』の和歌と『文選の』詩に描かれる様々な対象物および表現形態について、意味的に分類し、データベースに格納する。そして比較プログラムを作成して、このデータベースに適用することで、『万葉集』と『文選』の箇々の和歌や漢詩の語彙や表現の背後となる要素の類似点や相違点を抽出する。さらに、データ科学を用いて表現の相違を人生観、自然観、恋愛観などの観点別に分類する。観点毎に文学的見地から『文選』と『万葉集』における表現の内容や相違を解析する。さらに、その解析結果に対して日中の社会、文化、思想等の見地からも検証することで、古代における日本文化の独自性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
中国古典籍データは、『文選』、初唐詩の電子テキストを対象とし、『万葉集』の歌の電子テキストと比較する。 研究分担者葛崎偉のグラフ理論に基づいて研究分担者中田充の作成したデータベースプログラムを用いて、個々の名詞を中心にその前後の描かれ方を比較する。 比較の結果、中国の詩文は、自然景物は情景描写を中心として、そこから主情に転嫁し、主題の前景として自然景物の情景描写が行われており、詩文の起点とする位置にある。また自然景物はそれ自身の機能を中心とした価値概念に留まっている。 一方、万葉歌は自然景物を序として、そこからの連想で主情を引き出すという構成になっていることが確認される。 また、中国詩文の自然景物は神仙的な世界観の中で描かれているのが大半であるのに対して、万葉歌の自然景物は背後にアニミズム的な神概念があり、文化的相違を見出すことが出来る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中国古典籍の電子テキストの整形に時間がかかり、全体を比較対象とするにはまだ不十分である。 またビザの関係で、中国での文献調査も十分とは言えず、過去の研究実績も日本側の研究論文が中心となっている。
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今後の研究の推進方策 |
中国古典籍の電子テキストの整形を完成させ、データベースのプロトタイプ版を用いて、具体的に中国古典籍と万葉歌を比較する。 また中国渡航は出来ないので、CNKIなどの論文データベースを活用して、研究史を把握する。 その結果を成果発表する予定である。
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