研究課題/領域番号 |
21K12586
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
|
研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
山口 真一 国際大学, GLOCOM, 准教授(移行) (60769529)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ソーシャルメディア / マーケティング / オンラインコミュニケーション / データ分析 / 社会情報学 / 新型コロナウイルス / 偽・誤情報 / 消費行動 / 極性化 / フェイクニュース |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、以下3つの実証分析に取り組む。1) 各種メディアの利用は人々の意見をどのように極端化するか。2) 各種メディアの利用は他の意見への寛容さにどのような影響を与えるか。3) 意見の極端化・各種メディア利用はソーシャルメディア投稿行動にどのような影響を与えるか。分析に用いるデータはPC・スマートフォン・テレビ等のユーザ履歴データと、同一人物数千人を対象とした複数回のアンケート調査データを組み合わせたパネルデータである。研究成果は国際ジャーナルや国際会議で積極的に発表するだけでなく、書籍の発行、産学官連携シンポジウム開催、メディアでの取材、執筆活動を通じて、幅広く社会に還元する。
|
研究実績の概要 |
高度情報社会における人々の発信行動、リテラシー、消費行動等について実証研究を実施し、随時学術論文などで発表を行った。これには査読論文5本を含み、うち4本が国際ジャーナルとなる。 研究内容は多岐にわたる。例えば、ファクトチェックの有効性とリテラシーの関係、及びファクトチェックの有効性とメディアの関係を分析した研究では、以下の3つのことが明らかになった。第一に、ファクトチェックを通じて正確な認識を得るためには情報リテラシーが重要であること。第二に、新型コロナウイルスに関する偽・誤情報の場合、ファクトチェックはSNSよりも政府のウェブサイトから発信される方が効果的であること。第三に、ファクトチェックを行った後でも、少なくない人が偽・誤情報を真実と誤認したこと。これらの結果は、受信者に必要なリテラシーがない場合、ファクトチェックが逆効果になる危険性も示唆している。 また別の研究では、チーム主導型プロジェクトについて、チーム内のコミュニケーションと雰囲気がチームの創造性に及ぼす影響を検証した。分析の結果、交絡因子をコントロールすると、チームの創造性と有意な正の相関を示したのは、「対面でフォーマル」と「非対面でプライベート」のコミュニケーションのみであった。特筆すべきは、非対面かつプライベートなコミュニケーションの頻度が高いほど、チームの創造性が高まるということであった。本研究は、本科研費プロジェクトにおいて、人々のオンラインコミュニケーションのネガティブな側面だけでなく、ポジティブな側面にも焦点を当てているといえる。 さらに、人々の意見変容とメディア利用の研究に関しては、3回実施する予定であったアンケート調査は全て完了し、データ収集・整理を行っているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
多くの研究成果を発表しているうえ、新たな研究設計も行っているところで、当初の計画以上に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
随時関連研究を進めていき、最終年度には更なる研究成果の公表を行う。
|