研究課題/領域番号 |
21K12589
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
林 武文 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90268326)
|
研究分担者 |
井浦 崇 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90554519)
長谷 海平 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (20633895)
一色 正晴 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (30583687)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ミュオグラフィ / 古墳の内部調査 / 可視化 / ミュオン / 古墳 / 内部調査 / 数値解析 / 画像処理 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙線による大型構造物の透視技術「ミュオグラフィ」を、内部に石室や埋蔵物を有する未発掘の古墳に適用し、その有効性を検証する。得られた透視画像より石室など未知の内部空間の検出を可能とし、構造の分析を支援する解析技術を開発する。また、計測結果に基づく情報コンテンツを開発して公開し、歴史学、考古学の分野の研究利用や一般に向けた啓発と教育利用を進め、学術分野の進展と地域や社会に貢献することを目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究は、新世代ミュオグラフィ技術を埋蔵文化財の調査に適用し、その有効性を検証するとともに、情報発信によって学術分野の進展と地域や社会に貢献することを目指している。今年度は、以下の項目について検討を進めた。 (1)古墳の計測:岡山市造山古墳の計測を継続した。前年度までに第1次地点93日、第2次地点127日の計測データを得た。今年度はさらに第3次地点での計測を実施したが、装置の故障による中断があり、計測を継続している。今後は、内部が既知の古墳(倍塚のひとつである仙足古墳)の計測に取り組む予定である。 (2)結果の処理と可視化:計測装置のノイズ除去とバックグランドのミュオンの分布を考慮した透過画像の解析を行ったが、依然として埋蔵物の確証が得られていない。シミュレーションの精度を上げるため、内部構造が既知の古墳に対するミュオンの透過長の検討を行う予定である。また、今年度より岡山市による発掘調査が開始され、内部の状態が公表されるため、その結果との対応づけも行う。 (3)情報発信:現在、造山古墳の調査を実施している岡山大学、山梨大学、東海大学、岡山市教育委員会との合同シンポジウム「文理融合分析による造山古墳の総合的研究」にて計測データを公表し情報共有を行った。また、一般市民に向けたアウトリーチ活動として、ハンガリー大使館(東京)、大阪商業施設(ナレッジキャピタル)、美術館(岡山国際美術研究所)等においてコンテンツや作品展示と講演会等の啓発行事を展開した。さらに、岡山市や地域団体(造山古墳蘇生会)の協力の元、古墳の歴史やミュオグラフィの広報パンフレットを作成し、ビジターセンター等で配布した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
古墳の計測に関しては、今年度はさらに第3次地点での計測を実施したが、装置の故障による中断があり、現在調整中である。
|
今後の研究の推進方策 |
古墳の計測に関しては、計測精度を向上させるために計測を継続している。今後は、得られた透過画像に対して、密度分布を考慮したミュオンの透過長、バックグランドの影響、計測ノイズの影響を加えたシミュレーションを行い、比較検討を進める。2024年度以降は、内部構造が既知となっている倍塚の千足古墳の計測を行う予定であり、計測結果の解釈と埋蔵物の検出技術に関して検討を進める。
|