研究課題/領域番号 |
21K12599
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
佐藤 翔 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (90707168)
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研究分担者 |
原田 隆史 同志社大学, 免許資格課程センター, 教授 (30218648)
逸村 裕 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (50232418)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 公共図書館 / インパクト / 図書館の「思い出」 / 読書文化資本 / 図書館利用の世代継承 / アウトカム / 量的調査 / 質的調査 / ライフヒストリー / インパクト評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、近年図書館が新たに設置された、あるいは大きくリニューアルされた自治体を対象とし、インタビュー等(質的手法)と地域統計の詳細分析(量的手法)から、具体的なインパクトとしてどのようなものがあったのかを明らかにする。さらに質問紙調査と他自治体との統計比較等により、そのインパクトの大小を測定できる手法を確立していく。複数自治体を対象にこれらの調査を行うことで、インパクトに基づく公共図書館評価の基礎を確立することが本研究の大きな目標である。
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研究実績の概要 |
社会状況の変化等に伴って、公共図書館はコンセプトやサービスの多様性を増している。しかしそれら新たな図書館やサービスが、実際に地域の人々に与える影響(インパクト)については、図書館の存在意義を考える上で重要であると指摘されつつも、その測定手法が確立されてこなかった。そこで本研究課題では、近年図書館が新たに設置された、あるいは大きくリニューアルされた自治体を対象とし、インタビュー等(質的手法)と地域統計の詳細分析(量的手法)から、具体的なインパクトとしてどのようなものがあったのかを明らかにする。さらに質問紙調査と他自治体との統計比較等により、そのインパクトの大小を測定できる手法を確立していく。複数自治体を対象にこれらの調査を行うことで、インパクトに基づく公共図書館評価の基礎を確立することが本研究の大きな目標である。 研究3年目の本年度は昨年度開始した、図書館利用経験とその後の自身への影響に関する自記式の質問紙調査に基づく質的分析を継続し、2022年度の被験者に加えて新たに20名以上から回答を入手した上で、分析結果を学会等で発表した。 さらに自記式調査より、「大学生による、大学の学習のための公共図書館利用」という利用者・利用形態の存在が抽出されたことを受け、オンラインモニタ調査で登録モニタ約1,000名を対象に、大学生の大学図書館・公共図書館利用状況と使い分けに関する調査を実施した。 また、自記式調査とは異なる手法に基づく質的調査として、母・子のペアを対象とするインタビュー調査から、図書館利用が子のその後の人生や世代継承にどう関わっているかを分析する試みを開始した。 これまでの調査から図書館のインパクトとして「読書文化資本」の創出・蓄積の存在が示唆されているが、2023年度中にはこの調査・分析にまでは到達できず、そのため補助事業期間の延長を申請することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により質的調査の実施が遅れたこともあり、図書館のインパクト指標となりうる潜在的要因の特定が遅れた。そのため特定された図書館インパクトの潜在的指標(読書文化資本)の量的検証に期間内に到達することができなかったため、補助事業期間の延長を申請するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
質的調査に基づく図書館インパクトの潜在要因抽出までは完了することができている。2024年度はこの量的検証が主な課題であり、オンラインモニタ調査等による検証を実施する予定である。すでに昨年度の調査でノウハウ等も確立しており、期間内に質問紙の設計を終え、実施することが可能な見込みである。
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