研究課題/領域番号 |
21K12612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
福井 隆雄 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (80447036)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 到達把持運動 / 把持力調節 / バーチャルリアリティ / 運動学的特性 / 触知覚 / 自閉症スペクトラム指数 |
研究開始時の研究の概要 |
発達障害の1つである,自閉スペクトラム症(ASD)者は,コミュニケーションの困難さとともにぎこちない動作が発現することが臨床的に指摘されている.本課題では,自閉スペクトラム症(ASD)者,グレーゾーンの方,定型発達者を対象に,三次元動作解析装置と圧センサーを用いて,ASD者と定型発達者の比較とともに,自閉傾向との関連も考慮し,到達把持動作と後続の動作の連結化における触知覚特性と把持力調節過程を明らかにする.動作の「ぎこちなさ」を包括的に定量化することで,臨床現場で活用可能な基礎的知見の提供とASD者やグレーゾーンの方のクオリティオブライフ(QoL)を高める支援法の確立に繋げる.
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研究実績の概要 |
前年度に構築した,到達把持運動実行時の運動学的特性とその後の持ち上げ動作実行時の把持力計測について同時計測可能な実験系を用いて,発達傾向に応じた動作連結化における触知覚特性と把持力調節過程について検討した.課題として,Gentilucci et al. (2000)やGlover and Dixon (2002)を参考に,到達把持動作の運動学的特性や持ち上げ動作時の把持力に,把持物体の大きさを喚起する意味情報(把持対象物体上に「大」あるいは「小」のラベルを貼付)が及ぼす影響を検討した.その結果,(1)「大」のラベルが貼付された物体への運動時に,「小」の場合より,指間距離最大値,指間距離最大速度が有意に大きくなる,(2)意味情報の効果が運動前半の方が後半より強い効果をもつという,先行研究において認められた2つの実験結果を再現した.今回新たに分析された,持ち上げ時の把持力においても「大」の方が「小」よりも有意に大きいことが明らかになった(2023年7月に開催される日本認知心理学会第21回大会にて発表予定である).参加者のパフォーマンスと自閉傾向の関連についても検討中である.多方面からの検討の観点から,手指による把持動作に加えて,箸操作時の到達把持動作の運動学的特性を解析した.また,上記の実験系に加え,バーチャルリアリティ空間における到達把持運動の運動学的特性を検討する実験系のセットアップを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に構築した実験系を用いて,目標としたサンプルサイズの実験を実施できた.また,多方面の検討も視野に入れ,バーチャルリアリティー空間における実験系のセットアップを行った.
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今後の研究の推進方策 |
実施した実験の詳細なデータ分析を進め,そこから明らかになった新たな問題点を検討するための新たな実験を適切なサンプルサイズで行い,発達傾向に応じた動作連結化における触知覚特性と把持力調節過程を明らかにしていく.
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