研究課題/領域番号 |
21K12613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
牧岡 省吾 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (60264785)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 自己組織化学習 / 心的数直線 / 身体化認知 / 系列依存性 / 共感覚 / モダリティ間マッピング / NIRS |
研究開始時の研究の概要 |
数字や月,曜日などについて考えるとき,それらが特定の配列で並んでいるイメージが自動的に喚起される共感覚が知られている(空間配列共感覚).一方,共感覚を持たない人でも,数字や月,曜日などについて判断するときには空間配置の影響を受ける(心的数直線).これらは別々の現象であると考えられてきたが,研究代表者は,これらが共に脳内で生じる自己組織化学習(入力された情報の類似性に基づいて自動的に学習を進める仕組み)の結果であるという説を唱えている.本研究では,この説の妥当性を,共感覚者・非共感覚者を対象とした心理実験や脳活動の測定によって検証する.
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研究実績の概要 |
・2021年度末に投稿した身体化認知に関する論文がScientific Reports誌に掲載された(大学院生との共同研究).この研究では,手で操作できる物体に関する意味処理を行う際の頭頂間溝付近の局所血流量の変化をNIRSを用いて測定した結果,手で操作できる物体に関する意味処理によって頭頂間溝付近の局所血流量が増加し,かつ,手の動きを拘束することによって血流量の増加が抑制されることが示された.また,意味処理における反応時間も,手の拘束によって遅延することが分かった.本研究により,数や空間の処理に関連する頭頂間溝付近の脳活動を既存の実験設備によって測定する手法を確立することができた. ・2022年度中に投稿した系列依存性に関する論文がScientific Reports誌に掲載された(大学院生との共同研究).この研究では,以前の刺激とその刺激に対する反応が後続の刺激に対する反応に影響を与える系列依存性について検討した.画面上に提示された複数の硬貨の数または総額を答える課題を用いて心理実験を行い,3種類の硬貨の総額を答える課題についても系列依存性がみられることを確かめた.これは,系列依存性が高次な認知過程において生じることを意味する.本研究により,数に関する処理が系列依存性の影響を受けていることを確かめることができた. ・2021年度に行った数字の空間的配置に関する実験結果の分析を踏まえ,キーボード,ディスプレイの配置を変更した実験の準備を進めた.また,学外の研究者の協力を得て,共感覚を持つ実験参加者の確保を進めた.準備が間に合わず,2022年度中に実験を開始することができなかったため,2023年4月より実験を開始する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学院生との共同研究については順調に推移しているが、本研究の中心的課題である心的数直線の研究については、大阪公立大学発足に伴う業務の増加などの要因により、実験の実施に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は非常勤職員の雇用時間を増やし、実験業務を担当できる時間を増やすことによって、実験を効率的に進めていく。
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