研究課題/領域番号 |
21K12618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
生塩 研一 近畿大学, 医学部, 講師 (30296751)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 時間知覚 / 前頭前野 / 運動前野 / 認知科学 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは脳内にストップウォッチがあるかのように1秒と2秒の時間の長さを区別できます。しかし、脳が時間の長さを計るという時間知覚についての神経基盤(脳内メカニズム)はほとんど分かっていません。本研究では、ニホンサルを使って、fMRIなどの脳機能イメージング法より格段に詳細な情報が得られるユニットレコーディング法でニューロン活動を記録する実験を通して、時間知覚における神経基盤の解明を試みます。
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研究成果の概要 |
「異種感覚刺激を用いた時間弁別課題」と「3つの時間長の弁別再生課題」をサルに与え、その課題遂行中に前頭前野と運動前野から単一ニューロン活動を記録した。前頭前野では感覚種で異なるニューロン群が時間長の計測に関わっていることがわかり、時間を計る「時間中枢」があるというより、感覚種別の時間情報処理機構が示唆された。また、前頭前野では一過性のニューロン活動が多く見られたことから、時間計測の結果を受けて、計測した時間長や生成する時間長などに対する時間情報を符号化していると考えられる。運動前野では徐々に発火頻度を高める活動が多く見出せたことから、時間計測に関わっていると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究で、前頭前野、運動補足野、運動前野、大脳基底核、頭頂葉、小脳、海馬などの多くの脳領域が時間知覚において何らかの形で関与していることが分かっているが、具体的にどのような役割を担っているのかは分かっていない。本課題では、ニューロンの詳細な活動を計測できる単一ユニットレコーディグ法により、時間知覚における前頭前野と運動前野の役割の一端を明らかにした。時間知覚は多くの認知活動とも関わりが深い。また、精神疾患によって時間感覚が歪むことも知られており、時間知覚を診断に役立てようとする試みもある。脳内ストップウォッチの神経基盤の解明は、認知機能の理解に止まらず、臨床応用にも役立つと確信している。
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