研究課題/領域番号 |
21K12619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
岡崎 由香 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (10718547)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | TOT / 記憶想起 |
研究開始時の研究の概要 |
長期記憶想起が成功するためには、記憶を保存している皮質ネットワークの再活性化や分散された情報の探索・統合が必要とされる。内側前頭前野などの連合野がその機能領域と考えられているがその役割は不明である。本研究では長期記憶課題において、個々の記憶情報を処理するネットワークを同定し、想起中のネットワーク遷移を全脳レベルの多次元空間上にトレースする。想起の成否に関わる記憶探索過程の可視化は、内側前頭前野や連合野が長期記憶に果たす役割を明らかにし、想起失敗の原因解明の手がかりとなる。本研究成果は最終的に加齢による記憶読出し能力の減退を補完する方法の開発につながると考えている。
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研究実績の概要 |
人間の記憶過程において、「Tip of the tongue(TOT)」現象は、知っている情報が思い出せそうで思い出せない状態を指す。本研究では、TOT状態から記憶の想起に至るプロセスを明らかにすることを目的としている。
本年度は、実験画像の選定および実験環境の構築を完了し、行動実験を開始した。被験者に様々な画像を提示し、それぞれの画像の名前を答える課題を行った。課題では、被験者が画像に対して「知っている」「知らない」「TOT状態」と自己申告する形式を取り、特にTOT状態においては、画像の関連情報をヒントとして提供した。その結果、ヒントが提供された際の想起確率が一貫して向上することが確認された。これはヒントによって記憶想起がトリガーされることを示している。
さらに、この実験を通じて、被験者の反応パターンを詳細に分析した。画像の記銘にかかる試行数、各回答カテゴリーにおける試行回数、記憶の想起に至るまでの平均時間、及びヒントの提示が記憶想起率に与える影響を定量的に評価した。これらのデータは、今後予定されているMEG実験の設計に適応する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者の個人差を考慮した適切なパラメータの探索が予想以上に複雑かつ時間を要する作業であったため。
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今後の研究の推進方策 |
MEG実験を開始し、TOT状態時の脳内活動パターンを詳細に分析し、記憶想起プロセスの理解を深めることを目指す。
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