研究課題/領域番号 |
21K12621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤澤 彩乃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (10624885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 分解性生体材料 / ハイドロゲル / 再生足場材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、最適な分解速度を実現したハイドロゲルを再生足場材として活用することで、再生臓器の機能回復に寄与することを目指す。 分解時に生体との間で生じる相互作用を詳細に解明することで、材料設計における生物学的な因子を明らかにし、臓器ごとに探索した最適分解時間を埋植部位において再現させる。最終的には、生理活性物質や細胞などの再生に寄与する因子を搭載し、欠損臓器の機能的再生を実現する。
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研究実績の概要 |
Tetra-PEG Gelについて、分解性と非分解性のそれぞれに設計したものを用いて、免疫系細胞株に対する挙動の比較を行った。分解性を付与する残基について、炎症惹起の可能性を見出した。反対に、活性化して炎症状態を再現した細胞株の作用によって、分解を亢進する可能性を観察した。しかし、生体内埋植の実験で見られた分解速度のばらつきについて、細胞系の実験でも再現されたため、生体側だけでなくゲル側にも問題があると考え、原因究明を行った。 生体あるいは細胞に適用するに当たって、ゲル化前のポリマー溶液に対して滅菌処理を施していたが、この操作中にポリマー損失が発生しており、その損失率は滅菌ロットによって大きくばらつくことを突き止めた。このばらつきは手法の確立によって吸収することができない性質のものである。従来の製法においては、滅菌後のバリデーションは実施しておらず、最終的なゲルの性状は不明かつ一定しなかったことになる。設計よりもポリマー濃度の低いゲルを複数種類埋植していたことになるため、分解速度が一定しない現象と辻褄が合うとともに、これまでの結果自体を見直す必要が生じた。 一方で、非分解性設計のゲルが分解する現象に関しては、この事象のみでは説明できないため、貪食系の炎症細胞との関係については継続して検討を要する。 設計に従ったゲルを得ることができるよう、滅菌後のポリマー溶液について濃度を算出する方法、ならびにポリマー捕囚の起こらない滅菌方法について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
供給される埋植材料について、設計を反映しない組成として成形されている可能性が明らかになり、また現行の製法では性状が一定しないこともわかった。この問題点を解決しない限り分解性の制御に関する議論は不可能であり、当初計画にない検討を行う必要性が生じたため、進捗は遅れている。原因の一端を明らかにしたため、最終材料の組成を適切に評価するステップを挟んだ上で以降の研究を遂行する。
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今後の研究の推進方策 |
供給された埋植材料について、設計と最終材料の組成が異なる可能性が明らかになり、その原因は滅菌手法ならびに滅菌後の組成を確認できない点にあると究明した。滅菌後のポリマー溶液について濃度を算出する方法、ならびにポリマー捕囚の起こらない滅菌方法について検討を継続する。組成の明らかになった材料について改めて分解挙動を観察し、設計と比較する。 一方で、非分解性設計のゲルの分解現象に関してはこの現象のみでは説明できないため、貪食系の炎症細胞との関係については炎症系細胞株を用いたメカニズム解析を再開する。
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