配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究実績の概要 |
繰り返される軽度外傷性脳損傷は, 高次機能障害などの神経変性疾患を引き起こす. この時, 脳神経細胞では軸索損傷による輸送障害や細胞死が確認されており, 輸送障害の一因とされているのがTau・リン酸化 Tau タンパク質である. 損傷機序は解明されている部分が多いが, 有効な治療法は殆どないのが現状である. 本研究では, 繰り返し軽度外傷性脳損傷を模した衝撃負荷による Tau タンパク質の発現増減やリン酸化に電気刺激が与える影響を in vitro 実験系で示し, 神経損傷への電気刺激の有用性を明らかにする. 軸索損傷モデルには, PDMSチャンバー上に培養した脳神経細胞に対して, 軸引張装置を用いてひずみを負荷した. また電気刺激は300 mV/cm, 20 Hz の二相性パルス波を 15 分間印加し, これらを5日間繰り返し行った. 評価はウエスタンブロッティングによる発現量,免疫蛍光染色による形態観察によって行った. 結果, 細胞内のリン酸化 Tau の減少が確認され, 電気刺激の抑制効果が示された. さらに電気刺激を与えた場合は, 破断した軸索および正常な軸索へのリン酸化Tauの発現量が与えていない場合と比較して減少しており, 抑制効果は重度の形態的損傷と非形態的損傷部位に有用であると考えられる. したがって, 電気刺激はリン酸化 Tau による Tau のリン酸化拡大の抑制に有用であるといえる.
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