研究課題/領域番号 |
21K12626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鵜殿 美弥子 九州大学, 農学研究院, 学術研究員 (30815543)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フィセチン / HaCaT細胞 / 細胞老化 / 3次元培養 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、3次元オルガノイド培養法を用いて動物細胞の老化現象を解析するアッセイ系の確立を目指す。生体内の細胞は培養皿に移された途端、その機能の多くが失われてしまう。特に肝細胞は2次元培養で増殖することができず、わずか数時間で肝機能のほとんどを失うことが知られ、このことが肝臓の老化を研究する上で障壁となっていた。そこでまず、これまで未知であった肝細胞の老化と肝機能低下の関わりを3次元オルガノイド培養法にて調べてゆき、さらには、他の臓器由来細胞における老化現象の解析方法の確立へ発展させたい。
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研究成果の概要 |
ヒト肝細胞由来凝集塊作製について条件検討を重ねてきたが上手くいかなかったため、育毛効果を有するポリフェノールの機能性について研究を行った。 本研究では、ポリフェノールのひとつであるフィセチンによるマウスの発毛促進の分子基盤を明らかにすることを目的とし、マウスの背部皮膚をフィセチンで処理し、処理12日後に発毛を評価した。その結果、フィセチンは表皮形成、細胞増殖、毛包調節、毛周期調節に関連する様々な遺伝子の発現を調節することにより、HaCaT細胞を活性化することが示された。本研究により、ケラチノサイト由来のエクソソームがHFSCsを活性化し、結果として発毛を誘導することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じ、ポリフェノールによる表皮と毛包幹細胞の相関活性化の新たな分子メカニズムを明らかにすることができた。表皮を通過できるポリフェノールは、分子量が400~500以下のもの、および脂溶性であり細胞膜を通過できるものに限られることが知られている。この表皮における物質透過の選択性から、摂取した食品が直接脳に送達し,機能しうるとは考えにくく、塗布したポリフェノールによる発毛メカニズム制御のための、表皮、毛包幹細胞間の相互作用を実現しうる分子メカニズムの提案が必要となる。本研究では、腸管の作り出す細胞外小胞“エクソソーム”が、表皮毛包幹細胞相関活性化に寄与しうることを明らかにすることができた。
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